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アクシバ/あくしば/灰汁柴
Akushiba Cranberry
【アクシバとは】
・沖縄を除く日本全国の山地や林縁に分布するツツジ科スノキ属の落葉低木。同属のブルーベリーやシャシャンボなどと同様、夏にできる果実を食用するため、稀に庭園や菜園に植栽される。
・アクシバは東日本の日本海側に多く、本州の中部を境に西には同属のケアクシバが多い。日本以外では朝鮮半島の南部や済州島に自生が見られる。
・開花は6~7月で、葉の脇から伸びた柄に白とピンクの花が一輪ずつ下向きに咲くが、花としての主張は乏しくあまり目立たない。長さは1センチ弱で、8個ある雄しべのうち4個が外へ突き出し、残りの4個は退化している。花の先端は深く四つに裂け、ツルコケモモのように渦を巻いて反転する。
・花の後にできる果実は直径7ミリほどの球形で水分を含み、表面は微かにデコボコしている。8~10月に赤く熟すと、ほんのりとした甘味と酸味がある。味が薄いため好みは分かれるが、ジャムなどにして食べることができる。果実には直径1.5ミリほどの種子が多数含まれる。
・葉は枝から互い違いに生じ、長さ2~6センチの卵形になる。先端は尖り、縁には細かなギザギザがある。表面は脈に沿ってへこみ、網目模様があり、裏面は白っぽいが毛はない。若い枝は丸くて明瞭な緑色だが、後に灰黒色になる。枝は地を這うようにジグザグに伸びて横に広がりやすい。
・アクシバ(灰汁柴)という意味深な名前の由来には、①本種を燃やして作った灰汁を、洗濯や染め物の灰汁抜きに利用した、②枝が緑色で弱々しく背丈が低い雑木であることを意味する「青木柴」が転訛した、といった説がある。同じように灰を染色に利用したヒサカキやウバメガシにもアクシバという別名があり、①の説が有力とされる。
【アクシバの育て方のポイント】
・山裾の林床に多いが、日照を好む。半日陰でも育つが日陰では花や果実が少なくなる。
・耐寒性が高く、北海道でも植栽できる。
・酸性土壌を好むが栽培品であればあまり土を選ばずに順応する。
・花はその年に伸びた枝に咲くため、春以降の剪定は禁物。
【アクシバの品種】
・ケアクシバ
富山及び三重県より西に分布する品種で、若い枝葉や花柄に細かな毛がある。ただしアクシバとの交雑種が多く、明確に見分けるのは難しい。
【アクシバに似ている木】
アクシバモドキ ナツハゼ
ヒメウスノキ コケモモ
ツルコケモモ
アクシバの基本データ
【分類】ツツジ科 アクシバ属
落葉広葉 低木
【漢字】灰汁柴(あくしば)
【別名】アカワンノキ/ハナシキビ
ヨメハンノナミダ
【学名】Hugeria japonica
【英名】Akushiba Cranberry
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】0.2~0.8m
【用途】果樹/盆栽
【値段】800円~