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アキグミ/あきぐみ/秋茱萸
Japanese silverberry
【アキグミとは】
・北海道南西部から沖縄まで、日本全国に自生するグミ科の落葉樹。 日当たりのよい原野や川原などの水辺に見られ、日本以外でもヒマラヤや中国に分布する。
・根がよく発達して痩せ地でも育つため、治山のための土留め、海岸の砂防、風除けとして植栽される。また、花や果実に観賞価値があるとして近年では庭木としても使われることも。
・葉は長さは5~8センチ程度の楕円形で縁にギザギザはない。先端が尖り、基部はクサビ形になる。若い葉の裏側と柄は白銀の毛で覆われ、光沢があるのが特徴。葉は枝から互い違いに生じるが、枝のところどころには棘がある。
・アキグミの開花は4月~5月で、画像のような花がびっしりと咲く。咲き始めの花は白だが、やがて黄色へと変化する。花に花弁はなく、花弁のように見える萼は、先端が四つに裂ける。開花期には周囲が独特の香りに包まれ、蜂類がたくさん集まる。
・9~10月頃になると赤くて丸い果実(正確には偽果)ができる。果実は球形で表面に毛があり、大きさは6~8mm程度。完熟すれば生食できるものの、渋みがあって美味とはいえない。果実酒やジャムなどに加工して使うのがベター。メジロ、ツグミ、カワラヒワなどの野鳥はこれを採食する。
・アキグミという名前は、文字どおり秋にグミの実ができることによる。「グミ」は口に含んで食べる「含み」を語源とする説、刺を意味する「グイミ」を語源とする説がある。
・アキグミの材は緻密で手触りがよく、道具の柄に使われる。
【アキグミの育て方のポイント】
・花や実を楽しむことができる。(ただし、実をたくさん収穫するには複数の品種を植えるか、豊産種を選ぶ必要がある。)
・海辺の砂防に利用できるほど丈夫な性質を持ち、生育にはあまり手がかからない。ただし、枝葉が繁茂すると風で倒れやすくなるため、適宜、剪定する必要がある。
・土質を選ばずに育つ。むしろ、肥えた土地では実が成りにくい。
・日当たりがよい場所を好む。
・芽を出す力が強く、剪定にも耐えるが、形は整いにくい。
【アキグミの品種】
・マルバアキグミ
関東地方以西の本州、四国及び九州に分布するアキグミの変種。海岸の岩場で波をかぶるような場所に自生する力強い種で、名前のとおり葉は丸みを帯び、アキグミよりも肉厚である。高さは1m程度にしかならない。名前の似たものに蔓性のマルバグミがある。
秋にびっしりと紅色の実をつける豊産種 苗木果樹の苗/グミ:秋グミ(アキグミ・赤実)3.5号ポット |
アキグミの基本データ
【分類】グミ科/グミ属
落葉広葉/小高木・低木
【漢字】秋茱萸(あきぐみ)
【別名】フユグミ/カワラグミ/ヤマグミ
【学名】Elaeagnus umbellata
【英名】Japanese silverberry
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】2m~4m
【用途】雑木/盆栽/シンボルツリー
【値段】600円~