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アカシデ/あかしで/赤四手
Japanese loose-flowered/Hornbeam
【アカシデとは】
・北海道から九州まで日本各地の山地に分布するカバノキ科の落葉樹。特に関東地方の雑木林や川原ではイヌシデと共に普通に見られ、庭木や盆栽として使われることもある。日本以外では朝鮮半島や中国に自生。
・別名を「アカソロ」といい、特に盆栽の世界ではソロで通る。ソロと呼ばれる木は他にイヌシデ、クマシデがあるが、それらに比べて小ぶりであり、新芽が赤く、幹、葉を始めとした木全体も赤みを帯びることから、アカシデ、赤芽シデ、赤目シデなどと呼ばれるようになった。
・「シデ」とは、注連縄や玉串に使う紙で、長く垂れ下がる雄花の様子をこれに見立てて命名された。ちなみに「四手」は本来「紙垂」であり、紙を垂らす「紙垂(しだれ)」が変化したものとされる。
・アカシデの葉は卵状の楕円形で、縁には二重になったギザギザがあり、枝から互い違いに生じる。秋に黄葉するが、これも赤みがかる。一年を通じて木全体に赤味があって美しいが、特に新緑と秋の紅葉は観賞価値がある。葉や葉柄に毛を生じるがあまり目立たない。
・開花は新葉の展開と同じ3~5月。雄花は前年に伸びた枝に咲き、広い卵形をした赤い「苞」の中には8本の雄しべがある。雌花は雄花ほど目立たない紐状で、その年に伸びた短い枝先に直立あるいは垂れ下がる。
・8~9月にできる果穂も花と同じように四手に似ており、一見すると見分けがつかないが、果穂には「果苞」と呼ばれる羽根状のものがまばらに生じる。
・樹皮は灰褐色で滑らか。縦筋の模様はあるが裂け目などはできにくい。アカシデの材は淡い黄色あるいは灰白色で、堅さと美しさを兼ね備えているが直径が不揃いで加工しにくい。稀に楽器(ピアノ)、家具、器具、床柱などに利用される。
【アカシデの育て方のポイント】
・イヌシデに比べるとやや標高の高い場所に自生するが、平地の庭でも十分に育てることができる。明るく、やや乾燥した場所を好む。
・丈夫な性質を持ち、病害虫が少ない。
・基本的にはケヤキに似た箒状に育つが、ケヤキほど大きくならないため、小スペースで雑木林の野趣を演出したい時に使うことができる。自然樹形に観賞価値があるため、人工的に剪定するのは不向き。樹形は剪定しなくても整いやすいため、初心者向けともいえる。
【アカシデの品種】
・枝が枝垂れる「シダレアカシデ」がある。東京都西多摩郡日の出町にある幸神神社のシダレアカシデは樹齢700年を超え、天然記念物に指定されている。
【イヌシデとアカシデの見分け方】
幹は似ているが、アカシデの葉はより小さく、葉柄を含めて赤みを帯びているのが最大の特徴。盆栽の世界ではイヌシデを「シロソロ」、アカシデを「アカソロ」と呼んで区別することもある。また、イヌシデの葉にはたくさんの毛があることも大きな違い。シデの仲間は既述の他、サワシバがある。
アカシデの基本データ
【分類】カバノキ科/クマシデ属
落葉広葉/高木
【漢字】赤四手/赤幣(あかしで)
【別名】ソロ/ソロノキ
アカソロ/シデノキ
コソネ/アカメゾロ
【学名】Carpinus laxiflora
【英名】Japanese loose-flowered
Hornbeam
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】10m~15m
【用途】雑木/盆栽/シンボルツリー
【値段】1000円~