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リュウキュウマツ/りゅうきゅうまつ/琉球松
Ryukyu Island pine
【リュウキュウマツとは】
・九州及び沖縄(奄美大島~与那国島)に自生するマツ科の常緑針葉樹。美しい枝ぶりや台風に強い性質を生かし、原産地では庭木や防風、防潮林に使われる。別名はリュウキュウアカマツ、オキナワマツなど。本州におけるクロマツ同様、正月飾りなどの縁起物にも用いられる。
・沖縄の風土に最も適した針葉樹の一つであり、沖縄では山海を問わず全土に見られ、琉歌(島唄)にもしばし登場する。他の南国風の樹木を追いやって、昭和47年には沖縄県の木に指定された。
・開拓やマツクイムシの被害によって個体数は減少しているが、首里城、知念城、座喜味城などを始めとした城(グスク)の点景に欠かせない木であり、今帰仁城や仲原馬場周辺の並木など文化財に指定されるものも多い。沖縄の二大名松とされる伊平屋島の「念頭平松」と久米島の「五枝の松」も本種である。
・葉は二本一組で生じ、長さは10~20センチでクロマツよりも長い。先端は少し垂れ下がり、手で触れればアカマツと同じように柔らかな感じがする。
・リュウキュウマツの開花は3~4月頃。雌雄同株で、雄花は淡い黄緑色の円筒形で新たに伸びた枝の基部に多数咲き、雌花は紫がかった紅色の球形で、枝先に数個咲く。
・雌花の後にできる球果(まつぼっくり)は長さ3~6センチ、幅3センチほどの卵形で、開花翌年の10~12月に熟す。球果を構成する茶色い種子は長さ3~6ミリの卵形で、種子本体よりも長い翼がある。種子は風で拡散され、原産地では実生の小松が散見される。
・成長が早く、植栽後20年経てば高さ15m近くに、幹の直径は最大1mほどになる。材はパルプなどの建材、家具、工芸品に、かつては薪としても使われ、小笠原諸島にも実用目的で植栽された。樹皮はクロマツとアカマツを混ぜたような濃い灰色で、老木になると亀甲状あるいは鱗状に粗く剥離する。
【リュウキュウマツの育て方のポイント】
・他のマツの仲間と同様に日向を好み、日陰では生育が悪い。
・耐潮性や耐風性が高く、極端な乾燥地でなければ土壌を選ばずに育つ。ある程度の耐寒性もあり、関東地方までなら問題なく育てられる。
・枝は横に張り出しやすく、日陰になる下枝が枯れるため、大木では傘のような樹形になる。
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リュウキュウマツの基本データ
【分類】マツ科/マツ属
常緑針葉/高木
【漢字】琉球松(りゅうきゅうまつ)
【別名】オキナワマツ/オキナワアカマツ
リュウキュウアカマツ
マチ/マティ/マーチ
【学名】Pinus luchuensis
【英名】Ryukyu Island pine
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】20~30m
【用途】公園/街路/防潮
防風/盆栽
【値段】5000円~