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リキダマツ/りきだまつ
Pitch pine
【リキダマツとは】
・北アメリカ東部を原産とするマツの仲間。昭和初期に現農水省が産業目的で種子を輸入して各地の圃場で育てさせたが、材が脆く建材としては普及しなかった(諸説あり。)。その名残が公園や公共施設に見られ、時にはシンボルツリーとしてそびえ立っている。
・「リキダ」は英語のrigid(硬い)が転訛したものと思われる。リキダマツの葉はクロマツに似て硬く、触れるとチクチクする。葉の長さは5~9センチとクロマツよりも長い。
・別名は「ミツバマツ(三つ葉松)」だが、これは本種の葉がダイオウショウやテーダマツと同様に3本一組になっていることからきている。(ちなみにクロマツやアカマツは2本一組、ゴヨウマツは5本一組)リキダマツは幹のあちこちから芽吹きするほど成長が盛んであり、中国では「萌芽松」という。
・リキダマツは荒れ地や山火事の跡地など条件の悪い場所にも真っ先に入り込んで育つことから、韓国ではテーダマツとともに大量に植林されたことがあった。
・松ぼっくりには棘があるのが特徴。幹や枝のあちこちに大量にできるように見えるが、これはリキダマツの松ぼっくりが10年以上にわたって枝に残るためで、過去の分が蓄積されて松ぼっくりだらけになっている。
・上述のとおりリキダマツの材は脆く、他の松よりも劣るが、樹脂が多くて腐りにくく、燃料としては使い勝手が良いとされる。
【リキダマツの育て方のポイント】
・大木になるため一般家庭で庭木として植えるようなマツではない。広い場所であれば雄大な樹形を楽しむことができる。
・寒さに相当強いため、北海道でも十分に育てることができる。
・本来は湿った場所を好むが乾燥地でも育つ適応力を持つ。
・マツノザイセンチュウに対する抵抗力があり、松枯れ病に強い。
リキダマツの基本データ
【分類】マツ科 マツ属
常緑針葉 高木
【漢字】─(りきだまつ)
【別名】ミツバマツ(三つ葉松)/ピッチパイン
アメリカミツバマツ/シルベスターマツ
【学名】P.rigida Mill.
【英名】Pitch pine
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】12m~20m
【用途】シンボルツリー/公園
街路樹/盆栽/垣根
【値段】5000円~