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モミノキ/もみのき/樅木

Momi fir

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クリスマスツリーの代表とみなされているが日本の固有種
樅ノ木の葉,もみのき
モミノキの冬芽
モミノキ,もみのき,植物
新芽の様子
もみのき,モミノキの花,雄花
新芽が落ち着く頃、雌雄それぞれの花が咲く
もみのき,おばな
これは雄花 雌花は高い場所に咲くため観察しにくい
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開花時期には枝葉の輪郭が黄色く見える
もみのき,葉,モミノキ
葉の長さは不揃いで、樹齢や日照によって形状も異なる
もみのき,特徴
日陰や樹齢が若い木の葉は、先が二つに裂ける
もみの木,葉っぱ,モミノキ
樹齢を重ねたものは先が丸い
もみのき,植物
葉の裏側の様子
モミノキ,剪定
剪定しないと枝は斜上していく
モミの実,もみのき,画像
晩夏には実ができるが、最上部に集まるので、観察しにくい
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実(まつぼっくり)の長さは10センチほど
モミノキの種,もみのき,画像
モミノキの種子
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こうしたイメージを抱きがちだが、暖地にも見られる
モミノキ,画像,フリー
樹高は最大40mにもなる
樅ノ木,樹木
モミの樹皮
モミ 樹木 画像
樹皮は樹齢によって様々 大木ではこんな模様も

 

【モミノキとは】

・東北中部(秋田県~岩手県)以南の本州から九州、そして屋久島に至るまでの広い範囲に分布するマツ科の常緑針葉樹。クリスマスツリーに使われる代表的な樹木であり西洋風のイメージを持つが、日本に生じるのは我が国の固有種であり、各地の丘陵等にツガアカマツと共に育つ。ちなみに西洋のクリスマスには主にドイツトウヒやヨーロッパモミ使う。

 

 

・モミノキという名の由来には、①局所的に生育し、風に揉み合うことから、②新芽の数が多いことを意味する「芽富み(めとみ)」から、③新芽の萌黄色(もえぎ)が美しいことから、④天皇行幸の御座所に多く植えられたため「臣の木(おみのき)」と呼ばれたことから、など多数の説がある。

 

 

・モミノキの葉は長さ1~4センチの線形で光沢があり、枝から互い違いに生じる。若い木や日差しの乏しい場所の葉は先端が二つに裂けて尖り、手で触れるとチクチクするが、成長が落ち着くと葉先が窪むようになる。

 

 

・葉の裏面の白い気孔線は幅広だが、色が薄いためウラジロモミほど目立たない。葉の断面は扁平で、葉柄の痕が円い吸盤状になって枝に残るのも本種の特徴。葉は丈夫な肉厚で、1枚の葉の寿命は10年近くにもなるという。

 

 

・雌雄同株で5~6月にかけて雌雄それぞれの花を前年に伸びた枝葉の脇に咲かせる。雄花は小さな円柱状で多数の雄しべがあり、雌花は楕円形で直立し、多数の鋭い鱗片がある。いづれも淡い黄緑色で見付けにくいが特に雌花は木の上の方に咲くため見付けにくい。

 

 

・雌花の後にできる球果(まつぼくり)は長さ6~15センチ、直径3~5センチほどの円柱形で上向きにつき、10~11月頃に熟すと軸を残してバラバラになり、鱗状の種子(種鱗)が拡散する。種子の大きさは2~3センチほど。

 

 

・幹は真っすぐに伸び、樹形は美しい円錐形になるが、相当な大木となることから庭木として使われることは少ない。材木としての耐久性は乏しいものの手近な材であったことから、登呂遺跡、吉野ケ里遺跡など古代の柱や、松本城や天守閣の柱に使われている。

 

 

・モミの材は白くて清涼感があること、柔らかで加工しやすいこと、ネズミや害虫に強いことから棺桶、卒塔婆、葬祭具の材料に、また乾燥した材には匂いがないことや抗菌作用があることから、おひつ、箸、まぼこ板、茶筒、包装(紅茶用モミチェスト)など食品の容器にも使わる。

 

 

・直径は最大で1.5mほど。若いモミの樹皮は白っぽい灰色で、他のマツ科の樹木に比べて凹凸が少なく特徴に乏しいが、樹齢を重ねると暗い灰色になり、浅く割れて鱗状に剥離する。樹皮を手で「揉む」と簡単に剥がれるため「モミノキ」になったとする説もある。

 

 

・モミノキは主に太平洋側の低山~海岸付近の丘陵に自生し、かつては東京都心にも大木があり、明治神宮が鎮座する「代々木」という地名はモミノキが何代にもわたって育ったことに由来するという。大気汚染に弱く現在、低地ではほぼ見ることができないが、東京西部の高尾山には巨木が多数残る。ただし、モミノキの寿命は木としては短めで、大木でも200年程度とされる。

 

 

・同属のヨーロッパモミは日本のモミノキとは異なり、広く庭木として使われる。ヨーロッパモミも神聖視されておりドイツでは悪魔よけに使うという。

 

 

【モミノキの育て方のポイント】

・寒さに強く、北海道南部以南から九州まで幅広い地域に植栽できるが、空気の良い寒冷地が最適。

 

 

・基本的には日向を好むが耐陰性があり、半日蔭でも育てられる。

 

 

・ある程度の耐暑性はあるものの、適度に湿った場所を好み、西日や強い日差しによる乾燥に弱い。住宅地の庭では夏場に枯れることがあるのはこのため。

 

 

・剪定すると形が乱れることや枯れ込むことがある。しかし、放置すると下枝がなくなりやすいため、可能な限り弱めの剪定をして、木の下部にも日差しが当たるようにしたい。花や実は前年に伸びた枝にできるため、秋以降に剪定すると観賞できなくなることも。

 

 

・幼木の成長は遅いが、植栽してから10年ほど経つと急激に成長のスピードが上がる。順調に育てば樹高は最大40m以上、幹の直径は1.5mにもなるため、植栽には相応のスペースが必要。樹齢も長い。

 

 

【モミノキに似ている木】 

ウラジロモミ

 モミノキよりも標高の高い場所に分布し、名前のとおり葉の裏側が白い。また、モミノキでは葉のある若い枝に短い毛が生えているが、ウラジロモミには毛がないため容易に区別できる。なお日本でクリスマスツリーとして売られるのは圧倒的にウラジロモミが多い。

 

 

トドマツ

 北海道に分布するモミの仲間。葉の先端が少し凹んで二つに見えるのが特徴。

 

 

カヤノキ

 イチイ科の針葉樹だが、素人目には似たように見えるため混同されることが多い。

 

 

ツガ

 モミの木の葉は濃緑色で長さが揃うが、ツガの葉はやや黄緑色で不揃いになる。

 

 

コウヨウザン

 中国南部や台湾を原産地とする木で、スギに似た幅の広い葉を持つため「広葉杉」とされる。

 

 

・チョウセンモミ 

 朝鮮半島や中国に分布するモミの仲間で、葉がモミよりも長く、先端が二股に分かれないのが特徴。

 

朝鮮樅,樹木,もみのき
チョウセンモミは葉が長い
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モミノキの基本データ

 

【分類】マツ科/モミ属

    常緑針葉/高木

【漢字】樅木/樅(もみのき)

【別名】モミ/モミソ/サナギ

    オミノキ/モムノキ

【学名】Abies firma

    Sieb. et Zucc.  

【英名】Fir

【成長】始めは遅く、次第に早く成長する

【移植】やや難しい

【高さ】15m~40m

【用途】シンボルツリー/洋風庭園

    クリスマスツリー

【値段】5000円~

 

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