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フランスカイガンショウ/ふらんすかいがんしょう/仏蘭西海岸松
Maritime Pine
【フランスカイガンショウとは】
・地中海西部沿岸に分布するマツ科の常緑高木。海岸の砂地~低山に 自生するが、南フランスの海岸で砂防林として植栽している例を象徴として、フランスカイガンショウと呼ばれるようになった。日本では観賞用として稀に流通し、一部の植物園等にも植栽される。
・伐採跡地などで真っ先に育つパイオニア植物であり、成長も早いことからヨーロッパでは材木として使われ、古い時代には電柱、枕木、舟のマストの材料とした。明るい場所であれば丈夫に育ち、時に群生することからクラスターパインという英名がある。
・葉は硬い針状で、アカマツやクロマツと同様、二本単位で生じるが、直径のわりに長さがある(10~25センチ程度)ため、垂れ下がり気味になる。
・フランスカイガンショウの開花は、他のマツ類と同じ初夏。その年に伸びた枝の先端に赤い雌花を、基部に黄緑色の雄花をそれぞれ咲かせる。
・雌花の後にできるマツボックリ(球果)は長さ8~20センチほどの円錐形で、開花翌年に熟す。マツボックリを構成する種子は長さ6~8ミリだが本体よりも長い翼があり、風によって拡散される。
・日本で見る個体は樹高5~15mほどだが、原産地では30mを超えて育ち、直径は180cmほどに達する。樹皮は灰褐色~赤褐色で、アカマツよりも赤いことがある。
・樹齢を重ねると樹皮は鱗状に厚く裂けて剥離する。樹皮からは抗酸化作用のあるエキスが抽出され、アンチエイジングに向けた商品開発や、パイン製油としてアロマに利用される。
【フランスカイガンショウの育て方のポイント】
・日向であれば余り環境を選ばずに育つ。
・アカマツよりも格段に成長が早いが、同じ病害虫の被害を受けやすく、成木の生育は安定しない。
・南アフリカやオセアニアでは持ち込まれたものが野生化(帰化)しており、世界的に見れば「侵略的外来種ワースト100」にリストアップされている。
【フランスカイガンショウに似ている木】
・アカマツ
・クロマツ
・カナリーマツ
・アレッポマツ
フランスカイガンショウの基本データ
【分類】マツ科/マツ属
常緑針葉 高木
【漢字】仏蘭西海岸松
(ふらんすかいがんしょう)
【別名】オニマツ
メリタイムパイン
【学名】Pinus pinaster
【英名】Maritime Pine
Cluster pine
【成長】早い
【移植】難しい
【高さ】15~35m
【用途】公園
【値段】3000円~