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ヒノキアスナロ/ひのきあすなろ/檜翌桧
Aomori cypress
【ヒノキアスナロとは】
・本州北部、北海道南部及び佐渡島に見られる日本固有の常緑高木。アスナロが寒冷地に適応するために変化した変種とされ、青森県の津軽半島と下北半島に美林がある。青森県ではアオモリヒバ、人工造林の能登半島ではアテと呼ぶ。
・葉はアスナロと同じような鱗型だが、アスナロよりも小さく、ヒノキよりも大きい。
・3月下旬になると雌雄それぞれの花が咲く。雄花は黒、雌花は緑色であまり目立たない上に、木の頂部に咲くため、普通の目線では観察することができない。花の後にできる球果は丸くてトゲがなく、アスナロのそれとは異なる。
・材木としてはアスナロと共にヒバと呼ばれ、両者は区別なく扱われる。青森でヒバといえばこれを指し、ヒバ林の多くはヒノキアスナロからなる。青森のヒノキアスナロ(=青森ヒバ)は木曽ヒノキ、秋田スギとともに日本三大美林に数え上げられる。
・ヒノキより多くのヒノキチオールを持つといわれ、枝葉から抽出されたオイルはアロマテラピーなどに使われる。
・材は淡い黄色あるいは淡い黄褐色で柔らかだが、緻密で耐久性がある。精油を含むため水に強くて腐りにくく、土台、器具、建材、家具、船舶に賞用され、平泉の中尊寺金色堂や輪島塗の漆器木地に使われる。
【ヒノキアスナロの育て方のポイント】
・東北特有の気候に育つ樹種であり、暑さに弱い。植栽は栃木以北の寒冷地に限る。
・栽培適地であれば切った枝、落下した枝から根が出るほど生命力が強い。
・日陰でも育てることができ、病害虫や大気汚染にも強い。
・他の針葉樹同様に、いったん大きくすると、小さくするのが難しい。一般家庭に植えるような木ではない。
【ヒノキアスナロの品種】
・ヒメアスナロ
背丈が大きくならない品種。名前から紛らわしいがアスナロではなく、本種の園芸品種。
ヒノキアスナロの基本データ
【分類】ヒノキ科 アスナロ属
常緑針葉 高木
【漢字】檜翌檜(ひのきあすなろ)
【別名】ヒバ/青森ヒバ/エゾヒノキ
ネズ/羅漢柏
【学名】Thujopsis
dolabrata Sieb.
et Tucc.var.hondai
Makino
【英名】Aomori cypress
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】20m~30m
【用途】公園
【値段】300円~