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ハイビャクシン/はいびゃくしん/這柏槙
Hai-byakushin tree(Creeping cedar)
【ハイビャクシンとは】
・長崎県と福岡県の一部(壱岐、対馬、沖ノ島)及び朝鮮半島南部の大黒山島に自生するヒノキ科の常緑針葉樹。盆栽などに使われるビャクシン(イブキ)の変種であるが、枝葉や幹が地を這うように育つこと以外はビャクシンと変わらない。
・海辺の岩場など乾燥した場所を好み、海風に沿って低い背丈を維持することから、「イソナレ(磯馴)」という別名がある。群落を作って自生することが多く、ロックガーデンなどに数株まとめて植えると雰囲気が出る。
・洋風なイメージが強いものの、古くから寺社の庭園などにも使われており、中には樹齢700年を超すような古木もある。
・葉は青緑色で長さは6~8ミリでほど。2~3本が一緒になって枝から生じる。幼木では針状になるのが普通で、先端に触れるとチクチクするが、老木では針状の葉がなくなり、全て鱗状の葉になる。
・目立たないが4月頃に開花し、果実もできる。雌雄異株で雌株には黄緑色の雌花が、雄株には黄褐色の雄花が咲くが、稀に雌雄同株もある。
・ハイビャクシンの果実は直径7~8ミリの扁平した球形。でき始めは緑色だが、開花翌年の9~10月になるとハイネズと同じような黒紫色に熟す。
【ハイビャクシンの育て方のポイント】
・成長が遅く、病気にも強いため、あまり手をかけずに年中緑色のグラウンドカバーとなる。ただし、背丈は最低でも30センチほどになるため、芝やリュウノヒゲのようなイメージのグランドカバーにはならない。
・肥沃地がベストだが、痩せ地でも育ち、挿し木で増やすこともできる。
・寒さには強いが、日陰では生育が悪い。
・カイヅカイブキと同様に、赤星病の媒体となる可能性があるため、ナシの栽培地ではハイビャクシンの植栽について条例等を確認する必要がある。
【ハイビャクシンに似ている木、園芸品種】
・高山にも自生するミヤマビャクシンは、ハイビャクシンに似た外見を持つが、幹から伸びる枝が斜め上に伸びる点が異なる。
・一般的にはハイビャクシンを植えるよりも、その園芸品種であるウィルトニー、ブルーカーペット、バーハーバー、ブルースターなど洋風のものに人気がある。
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ハイビャクシンの基本データ
【分類】ヒノキ科/ビャクシン属
常緑針葉/低木
【漢字】這柏槙(はいびゃくしん)
【別名】イワダレネズ(岩垂杜松)
イソナレ(磯馴)/ソナレ
【学名】Juniperus chinensis
var. procumbens
【英名】Hai-byakushin tree
(Creeping cedar)
【成長】遅い
【移植】普通
【高さ】30センチ~60センチ
【用途】公園/グランドカバー
根締め/盆栽
【値段】400円~