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ニシキマツ/にしきまつ/錦松

Nishiki matsu(Strange shaped red pinetree)

にしきまつ,盆栽
幹や枝の樹皮が複雑な形状になる異形のマツ
にしきまつ,荒皮松,あらかわまつ
葉はクロマツと変わらない(新葉)
にしきまつの葉っぱ
成葉(秋)の様子
にしきまつ,ニシキマツの花
春に雌雄の花が咲く(黄色いのは雄花)
錦松,花
雌花の様子
にしきまつの木
開花期の様子
にしきまつ,錦松の球果
未熟なマツボックリの様子
nisikimatsu conifer
マツボックリは翌年の秋に成熟する
nishikimatsu tree
枝や幹は個体によって様々な形状になる
錦松の幹,にしきまつ
素人には何がいいのか分からないが、通にはたまらない魅力がある

 

【ニシキマツとは】

・香川県高松市の瀬戸内海沿岸で発見されたクロマツの突然変異種。コルク質の厚い樹皮が深く裂ける特徴を持ち、あたかも風雪を耐え抜いた古木のような雰囲気が好まれ、盆栽や庭木として普及する。

 

 

・「錦」とは彩の美しさを表すが、ニシキマツの幹は赤みを帯びた灰黒色。ゴツゴツした昭和の怪獣のような風体をなぜニシキと呼ぶのか不明だが、日差しによっては樹皮が様々な色合いに見えなくもない。

 

 

・自生品は過去の乱獲によって激減したが、明治中期に現高松市国分寺町の職人が接ぎ木に成功したことで苗木の供給は続いており、同地をニシキマツ発祥の地とする。現在流通しているのはクロマツやゴヨウマツを台木として接ぎ木したものが多く、種子を蒔いてもニシキマツになるとは限らない。

 

 

・葉は針状で二本一組に生じ、クロマツ同様に手で触れるとチクチクする。新芽もクロマツと同じように白い毛で覆われるのが基本だが環境や個体による変異が大きい。品種改良も盛んであり、新芽が赤いニシキマツや、葉が黄色いニシキマツなど多様な品種がある。

 

 

・雌雄同株で4~5月にクロマツと同じ雌雄の花が咲く。雄花は黄色で雌花は紫がかった色をしており、雌花は雄花よりも高い位置に咲く。雌花の後には長さ5~7センチの球果(マツボックリ)ができ、翌年秋に熟す。

 

 

・自然樹形は円錐形で、天然物は樹高10~20mに達するというが、人工的な環境では3m以下で管理していることが多い。また、解説書では幹や枝に翼状の突起が生じるというが、樹形が複雑すぎて判然としない。

 

 

【ニシキマツの育て方のポイント】

・性質はクロマツとほぼ同じであり、日当たりがよく、水はけの良い場所を好む。盆栽品が多いが、クロマツが育つ場所であれば地植えでも問題なく育つ。

 

 

・基本的に丈夫な性質を持ち、放任気味でも育つが、枝や幹は見かけほど丈夫ではなく、垂れ下がった枝に通行人が衝突すると、容易に折れ、積雪にも弱い。成形のための針金掛けもあまり強引にやらない方がよい。

 

 

・病害虫に強いが、枝が混み過ぎるとハダニ等の被害に遭いやすい。

定期的な剪定によって日照と通風を確保したい。

 

 

・剪定はクロマツ同様に手間が掛かり、ミドリ摘み(新芽摘み)、もみあげ(古葉落とし)などの作業が必要になる。また、樹形が複雑で古い葉がクロマツ以上に枝や樹皮にひっかかりやすく、放置すると見苦しくなるため、古葉は随時取り除きたい。  

 

 

【ニシキマツに似ている木】

・ニシキアカマツ

 ニシキマツと同じような樹皮だが、矮性で樹高が低い。

 

ニシキマツの基本データ

 

【分類】マツ科 マツ属

    常緑針葉 高木

【漢字】錦松(にしきまつ)

【別名】荒皮松

【学名】Pinus thunbergii

    ‘Nisikimatsu’

【英名】Nishiki matsu

    (Strange shaped

     red pinetree)

【成長】やや遅い

【移植】難しい

【高さ】0,5~20m

【用途】盆栽/庭木  

【値段】(樹形による)

 

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