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タマイブキ/たまいぶき/玉伊吹
Globe chinese juniper
【タマイブキとは】
・ヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉樹。イブキ(ビャクシン)の園芸品種で、樹形が球状になるためタマイブキと名付けられた。丈夫な性質を持つことや狭いスペースでも管理しやすいことから、昭和時代に造成された公園や庭園に数多く使われる。
・幹は地際で分岐し、全体としては、こんもりとした丸い樹形になるため、球形に刈り込む「玉物」として使われるが、近年ではより明るい雰囲気を持つ他のコニファーの台頭によって流通量は減っている。
・葉は鱗状で枝から互い違いに出て密生する。イブキなどのように針状の葉が出ることもあるが、その数は少なく、樹形も整えやすい。
・剪定して管理することが多いため花や実を見ることは稀だが、放任気味に育てれば4月頃に花が咲き、秋には果実もできる。ただし、花や実は地味であり、観賞価値に乏しい。
・樹皮は赤褐色で樹齢を重ねると縦に長く裂けて剥離する。
【タマイブキの育て方のポイント】
・植栽の適地は東北以南の本州、四国及び九州。日向を好む陽樹であり、日陰では枝葉がまばらになるなど生育が悪い。
・乾燥。潮風、大気汚染に強いため、環境の厳しい都市部でも育てられるが、肥沃な土壌を好むため、植穴には事前に堆肥や石灰などをすき込んだ方がよい。
・幼木のうちから年に2~3回刈り込むと葉が密生して美しい球形になる。剪定の適期は6月中旬、9月中~下旬及び11月下旬。球状にするのが普通だが、直方体にして生垣に仕立てることもできる。
・病害虫の被害は少ないが、さび病やハダニの害を受けることがある。また、積雪の多い地方では雪の重みで玉が割れることもある。
【タマイブキの品種】
・コガネタマイブキ(オウゴンイブキ)
葉が黄色くなる品種。明るい雰囲気を持つためより好まれる。
・キンイブキ
新葉が黄色っぽく、幹が直立する品種
【タマイブキに似た木】
タマイブキのの基本データ
【分類】ヒノキ科 ビャクシン属
常緑針葉 低木
【学名】Juniperus chinensis
f. globosa Hornib
【別名】イブキダマ/タマビャクシン
【成長】遅い
【移植】難しい
【高さ】0.5m~2m
【用途】公園/庭園
【値段】1000円~