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シロマツ/しろまつ/白松
White bark pine
【シロマツとは】
・中国北西部を原産とするマツの一種。マツの仲間としては長命であり、古木は独特な風格を持つことから、中国を中心に長寿の象徴あるいは神聖な木とされ、宗教施設や墓苑に植栽されることが多い。
・日本に自生はなく、江戸~大正時代に中国から渡来したものが各地の寺社(高野山や京都永観堂など)、一部の植物園や公園等に植えられた。庭木としての流通は乏しく一般家庭の庭にあるのは稀。
・名前の由来は樹皮にある。幼木の樹皮は褐色~深緑色であまり面白味がないが、樹齢20年ほど経つと樹皮は白い樹脂を分泌した後に剥離し、プラタナスやカゴノキのような斑模様になり、老木では光沢のある淡い灰色になる。
・幹は触れるとサルスベリやナツツバキのように冷んやりとしており、一般的なマツのイメージとは程遠い。中国名は「白皮松」と書いて「パイピソン」と読む。
・日本で一般的なクロマツやアカマツの葉は二本一組だが、シロマツの葉は3本一組が基本で、稀に2本一組のものも混じる。葉の様子がインドの武器をモチーフにした金属製の仏具「鈷」に似るため、別名を「三鈷の松」という。
・雌雄異花で4~5月に開花し、長楕円形のマツボックリは翌年の秋に熟す。花やマツボックリの様子はクロマツなどさほど変わりないが、大きさはやや小さい。種子は食用、薬用となる。
【シロマツの育て方のポイント】
・他の松類と同様に剪定して樹形を整えるが、成長が遅く、芽を出す力はクロマツやアカマツより弱いため、シンボルツリーとして貫禄を出すには相当な時間がかかる。
・日当たりの良い場所を好み、夏の暑さや乾燥に強い。
・病害虫に弱い。
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シロマツの基本データ
【分類】マツ科/マツ属
常緑針葉/高木
【漢字】白松(しろまつ)
【別名】ハクショウ(白松)
サンコノマツ(三鈷の松)
白骨松/白皮松/虎皮松
【学名】Pinus bungeana
【英名】White bark pine
【成長】遅い
【移植】簡単
【高さ】4m~30m
【用途】主木(シンボルツリー)
【値段】1000円~