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カナダツガ/かなだつが/加奈陀栂
Hem Fir
【カナダツガとは】
・カナダの西沿岸(ブリティッシュコロンビア州)を原産とするマツ科の常緑針葉樹。樹種としてはベイツガと同じだが、特に厳しい環境でじっくりと育ち、緻密な材を持つものを特にカナダツガと呼んで区別する。日本で普通、ツガ材として流通するのは日本のツガやコメツガではなく、本種やベイツガであることが多い。
・日本では関東大震災直後の急激な需要に応じて大量に導入されたのを機に主力の木材となっており、窓枠、垂木、造作、垂木及び家の土台等に幅広く使われる。
・アメリカ産では最も樹形の美しい木とされ、ツガやコメツガよりも枝ぶりは整いやい。ただし、造園用として公園や庭園に植栽されるのは稀であり、いわゆるコニファーとしての園芸品種がより多く使われる。
・葉は長さ1.5~2センチの線形で 裏面には二本の気孔線が目立つ。ツガの葉先はへこむが、カナダツガの葉先は丸く尖る。枝葉や樹皮から抽出される精油はカナディアンヘムロックと呼ばれ、アロマやエッセンシャルオイルとして販売されている。
・雌雄同株で、日本では2月頃に雌雄それぞれの花を咲かせるが、他の針葉樹と同様に目立たない。雌花の後には長さ1~3センチの卵形をした球果ができ、熟すと枝先にぶら下がる。
・樹齢は数百年で、幹の直径は最大で1mに達する。樹皮は黒褐色で樹齢を重ねると深く剥離する。材は淡いクリーム色でやや硬質だが、日本のツガよりは加工しやすい。また、良好な環境で育った材は緻密で釘や金物を保持する力が強く、耐震性が高いとされる。
【カナダツガの育て方のポイント】
・肥沃で水はけの良い場所を好むが、土質は選ばない。
・耐陰性が高く、半日陰程度の場所を好む。日差しの強過ぎる場所では葉が変色することもある。
・大木となるため家庭の庭木として植栽する場合は矮性の園芸品種が向く。
【カナダツガの品種】
・斑入りカナダツガ
新葉に白い模様が入る斑入り種(「ゲンチホワイト」など)、樹高が1~2mにとどまるイエデロやコンパクタ、枝が垂れ下がるペンデュラなどの品種がある。
カナダツガの基本データ
【分類】マツ科 ツガ属
常緑針葉 高木
【漢字】加奈陀栂(かなだつが)
【別名】ヘムロック/ヘムファー
ツガ・カナデンシス
【学名】Tsuga canadensis
【英名】Hem Fir(N)
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】25~60m(原産地)
【用途】庭園/公園樹
【値段】─(苗木の入手は困難)