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イヌガヤ/いぬがや/犬栢

Japanese plum yew

いぬがや,カヤとイヌガヤ,見分け
葉はカヤよりも光沢が乏しく、柔らかい
イヌガヤ,いぬがや,特徴
冬芽の様子
いぬがや,犬栢,葉っぱ,画像
イヌガヤの新芽
イヌガヤの新芽,いぬがや
新緑の様子
イヌガヤの花,いぬがや,画像
雄花の様子
Japanese plum yew,fruits
花の後には青白い種子ができ・・・
いぬがやの果実
少しずつ大きくなり・・・
いぬがやの実,画像
秋には紫褐色に熟す。美味しそうだが食べられない
いぬがや,イヌガヤの種子,アーモンド
果肉が朽ちると中からアーモンドのような種が現れる
イヌガヤの木,いぬがや
樹高は10mほどになる
いぬがや,犬栢,幹
樹皮の様子

 

【イヌガヤとは】

・岩手県以南から南九州の山地に分布するイヌガヤ科の針葉樹。葉がカヤに似るものの、カヤのように実(正確には種子)を食べることはできず、「役に立たない」という意味の「イヌ」を冠して「イヌガヤ」と呼ばれる。日本のほか朝鮮半島や中国の暖地、東南アジアに見られる。

 

 

・カヤの葉は光沢があって美しいもののチクチクして扱いづらい。これに対してイヌガヤの葉は光沢が劣るものの柔らかくて扱いやすいため、庭木としてはより多く植栽される。葉は長さ3~5センチほどで、カヤと同様、葉の裏側に二本の白い線(気孔帯)があるが、その幅はより広い。

 

 

・雌雄異株で3~5月に開花する。雄木に咲く雄花は黄緑色で、前年に伸びた葉の脇で球状に集まって咲き、雌木に咲く雌花は緑色で、枝先に1~2輪のみ咲く。 

 

 

・種子は直径2~3センチの楕円形で、でき始めは緑色だが、翌年の秋にかけて赤褐色に熟していく。種のまわり(外種皮)は柔らかで、熟すとやや甘味があるが、内部は苦味があって食用にならない。

 

 

・カヤと同様、外種皮から油を採取することができる。冬季に凍らないこと、他の植物油に類がないほど明るい光を灯すことから「渡来人」の時代から灯油として使われ、現代でも神社の燈明に使用される例がある。また、油を採取した残りカスや葉は蚊遣に用いた。

 

 

・イヌガヤもカヤと同様に成長は遅いが、樹高は最大で15mほど、直径も30~40センチほどにとどまり、大木となるカヤには程遠い。淡い黄色をした材は緻密で、薪や小細工物、船の櫂や丸太などに使われた。樹皮は暗い灰褐色で、樹齢を重ねると縦に浅く裂ける。

 

 

【イヌガヤの育て方のポイント】

 

・病害虫に強く、きわめて丈夫な性質を持つ上、成長が遅く、日陰にも強い。

 

 

・剪定に耐えるため、樹形を整えれば庭木として利用できる。

 

 

【イヌガヤの品種】 

 

ハイイヌガヤ

 イヌガヤの変種で、山陰地方など日本海沿岸を始めとした寒冷地に分布する。高さ2m程度にしかならず、地を這うように枝葉を伸ばすため、積雪地帯の垣根として使われる。果実は果実酒に利用。

 

 

チョウセンマキ

 こちらもイヌガヤの変種だが、垣根や切花に使われる観賞用の庭木としてイヌガヤよりも流通量が多い。葉は全てらせん状に生じ、枝葉は箒のように広がるが、刈り込みに強く、形を整えやすい。チョウセンガヤあるいはシホウガヤともいう。

 

 

【カヤとイヌガヤの違い】  

 

・外見上は似ているカヤは「イチイ科カヤ属」、イヌガヤは「イヌガヤ科イヌガヤ属」であり、分類上は異なる。カヤの葉はチクチクして剪定しにくいが、イヌガヤは柔らかで扱いやすい。また、葉っぱもイヌガヤの方がより大きいため慣れれば容易に区別できる。 

 

カヤとイヌガヤ 違い 見分け
カヤ

 

・イヌガヤ 

 ファスティギアータ

  

 大きくなりにくい、いわゆる矮性種。ガーデニングに使う素材としては原種よりも一般的で、コニファーガーデン等に用いられる。


イヌガヤの基本データ

 

【分類】イヌガヤ科 イヌガヤ属

    常緑針葉 小高木

【漢字】犬栢/犬榧(いぬがや)

【別名】イヌカヤ/ヘボガヤ/アブラガヤ

    アブラギ/ヤマガヤ/ベコカヤ

    デボガヤ/ヘダマ/ヒノキダマ

【学名】Cephalotaxus hamingtonia

【英名】Japanese plum yew

【成長】遅い

【移植】簡単

【高さ】3~10m

【用途】単独、主木

【値段】3000円程度

 

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