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ミケリア/みけりあ
Michelia
【ミケリアとは】
・中国を原産地とするモクレン科の常緑広葉樹。中国では庭木として広く普及しているが、日本では平成に入ってから公園等で見られるようになった新しい花木で、花の時期には「この木、何」と言われる確率が高い木の一つ。
・ミケリアという名前はスイスの植物学者「ミケーリ」にちなむ。現在、普及している品種には「マウダイエ(深山含笑)」や「プラティペテラ(闊瓣白蘭花)」があり、それぞれ「ミケリア・マウダイエ」などと呼ばれる。
・カラタネオガタマやウンナンオガタマをミケリアと呼んで販売している例もあるなど、流通における本種の扱いは確定しておらず、ややこしい状況にある。別名の「常緑モクレン」などシンプルな名前が定着すれば、庭木としてさらに普及する余地があると思われる。
・ミケリアの葉はオガタマノキのように皮質だが、より大きいためゴムの木などの観葉植物を思わせる。長楕円形で先端が尖るのが特徴。
・常緑樹だが、秋になると地域によっては画像のように一部の葉が黄変する。
・早春に咲く白い花には、コブシやモクレンと似たような芳香があるものの、本種はそれらと異なる常緑樹であり、性質は近縁のオガタマノキやカラタネオガタマに近い。
・ミケリアの花弁は9枚で直径10センチほどと大きいが、モクレンやコブシと違い、枝の途中(つまり葉陰)に開花するため観察しにくい。ちなみに「甘い誘惑」という花言葉がある。
【ミケリアの育て方のポイント】
・日向を好むが、半日陰程度なら花も咲く。ただし、花の数を重視するなら日向に植えたい。
・基本的には暖かい地方に生じる木だが、温暖化と共に関東北部までなら屋外でも越冬できるようになってきた。しかし、花は寒害や風害に遭いやすく、少なくとも関東地方では綺麗な状態を保つのは難しい。このため鉢植えにしてハウスで育てるケースもある。
・剪定はタイサンボクと同程度に可能。ただし、枝葉が大きいため強めに剪定すると、あっという間に見すぼらしくなるので、樹形を大きく乱す枝を付け根から除く程度が望ましい。
【ミケリアの品種】
・ミケリア プラティペテラ
・ミケリア ヴェルテナ
・ミケリア ドルトソーパ
・ミケリア アルバ
ミケリアの基本データ
【分類】モクレン科 ミケリア属
常緑広葉 高木
【漢字】─(みけりあ)
【別名】常緑モクレン
【学名】Michelia maudiae
【英名】Michelia
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】15m~30m
【用途】花木/公園/鉢植え
【値段】8000円~