ユズ/ゆず/柚子

Yuzu Orange(Japanese citron)

ゆず,柚子の木,特徴
冬至にはお風呂にコレを浮かべる
ゆず,柚子の木,特徴
新芽の様子
柚子の木
若葉の様子
ユズ,果樹
若葉の様子
柚子の木,葉っぱ,画像
葉は革質で、柄には「翼」がある
ゆずの木,葉っぱ
裏面の様子
棘のある木
枝にはトゲがある
ゆず,柚子の花,画像
花弁は白だが、やや紫色を帯びることも
ゆず,柚子の木
未熟な実の様子
柚子の木,画像
ユズの実が熟すのは10~1月
柚子の木,画像,ゆず
直径は4~7センチほど  
柚子,樹木
ミカンの仲間では最も寒さに強い 
ユズ,ゆず,庭木,高さ
高さは6m程度まで育つ
ゆず,Yuzu(Japanese citron)
ユズの樹皮
柚の木
幹にもトゲがある

 

【ユズとは】

・中国の揚子江流域(雲南、チベットなど)を原産とするミカン科ミカン属の常緑樹。香りを楽しむ「香りミカン」の代表であり、庭木としては関東以西の暖地で栽培される。冬至に本種の果実を湯船に浮かべ、「ユズ湯」とすることで知られる。

 

 

・時期は不詳だが6世紀~14世紀に朝鮮半島を経由して日本へ渡来した。日本に元来の自生はないが、山口県、高知県及び熊本県では野生化したユズの木が見られる。

 

 

・ミカンの仲間としてはカラタチと共に寒さに強く、冬至の行事や料理の香り付けに使う備えとして、家庭や畑の隅に植えられることが多い。果実を実用するユズとは別に、花の観賞を目的とするハナユ(花柚)もある。

 

 

・ユズという名は中国語で酸っぱい蜜柑を意味する「柚」に由来し、かつては単に「ユ」あるいは「ユウ」と呼ばれたが、江戸時代にブンタンなどと区別するため「ユズ」になった。 

 

 

・現代の日本では「柚子」と表記されることが多いが、意味合いとしては「柚酸」が近い。なお、本家の中国で「柚子」はザボンやブンタンなどを表し、ユズは「香橙」あるいは「蟹橙」と表記される。 

 

 

・ユズの葉は長さ6~10センチの長楕円形で枝から互い違いに生じる。柄には画像のように幅の広い翼が見られ、葉本体(葉身)と翼の間にわずかな隙間がある。葉の先端は尖り、縁には緩やかなギザギザがある。

 

 

・ユズの開花は春~初夏(4~6月)で、直径2~3センチほどの白い5弁花が枝先近くの葉の脇に咲く。 

 

 

・花弁は肉厚で香りが強く、お吸い物などの料理に使われる。ミカン類の中では大きめの花だが、花弁は風で落下しやすく、完全な形の花を観賞するのは難しい。

 

 

・果実は重さ120g前後の扁平した球形で表面はデコボコし、10月から1月にかけて熟すと鮮やかな黄色になる。冬至のユズ湯の起源は不詳だが、太陽の光が最も弱まった日に、ユズの黄色で力を補うとする説が一般的である。果汁に含まれるリモネンが皮膚を過度に刺激するため、皮のまま湯に入れる。

 

 

・果皮と果汁には香りがあり、ビタミンCを豊富に含むが、酸味が強過ぎるため、生食よりも香味料や薬味として使われることが多い。果皮が簡単に剥けて扱いやすく、柚餅子(ゆべし)、柚味噌(ゆみそ)、柚醤油(ゆびそ/ゆびしお)などの家庭料理やジャムに使われてきた。  

 

 

・果実の中にある7~8個の種子は民間療法に使われ、種子を砕いたものを煎じて飲めば、下腹部の痛み、喉に刺さったトゲに効果があり、種子を黒く焼いて御飯粒と練り合わせたものは、魚の目やマメに効果があるとされた。現代では化粧水の材料に使われる。 

 

 

・幹は単独で直立するが上部は枝分かれが多く、枝葉を鬱蒼と茂らせて円筒形の樹形となる。他のミカン類と同様、葉の付け根の枝や幹には、長く鋭い棘があって扱いにくい。

 

 

【ユズの育て方のポイント】

 

・日当たりと水はけの良い肥えた土地を好む。ただし、西日を嫌うため植え場所には留意する必要がある。

 

 

・果実には殺菌や防虫作用があり、病害虫の被害は少ない。柚子湯は、皮膚のヒビやアカギレなどに効果があるとされる。

 

 

・一般的な植栽の適地は関東地方以西だが、柑橘類の中では最も寒さに強く、東北地方でも海沿いであれば育てることができる。

 

 

・「モモ、クリ3年、カキ8年」の続きは「ウメはすいすい13年、ユズの大馬鹿18年」であり、種子から育てると、成長の勢いが強すぎるため、実がなるまでに15~18年ほどかかるとされる。早期に収穫したい場合、接木の苗を育てるのがよい。

 

 

・ユズは根が深く張り、成長力も旺盛であるため、ウンシュウミカンなど他のミカンの台木(接ぎ木の基礎となる木)として使われる。移植には労力が必要だが、不可能ではない。

 

 

【ユズの品種】

 

・多田錦

 小粒だが種が少なくて果汁の絞りやすい品種。家庭の園芸用として広く流通している。

 

 

ハナユ(花柚)

 果実の直径が2~3センチにとどまる品種。果皮をおろしたり、そのままで蕎麦、汁、椀物の香り付けに使う。花にも香りがあるのが特徴。

 

 

・シシユズ(獅子柚子)

 直径20センチ以上にもなる大きなユズという感じだが、中国を原産とするブンタンの仲間。香りが乏しく食用にも向かないが、その圧倒的な大きさとゴツゴツと外皮は話題性が高く、観賞用として稀に庭木に使われる。別名はオニユズ。

 

シシユズ,ししゆず
シシユズは巨大な実ができる

 

【ユズに似た木】

 

 ナツミカン  タチバナ  ダイダイ

 

 ウンシュウミカン  キシュウミカン

 

 スダチ  イヨカン  ポンカン  レモン

 

 ハッサク  ブッシュカンなど

 

ユズの基本データ

 

【分類】ミカン科/ミカン属

    常緑広葉/小高木

【漢字】柚子(ゆず) 

【別名】ユズノキ/ユ/ユウ

    ホンユ(本柚)/ユノス

    オニタチバナ

【学名】Citrus junos

【英名】Yuzu Orange

    (Japanese citron)

【成長】早い

【移植】普通

【高さ】3~8m

【用途】果樹

【値段】1500円~

 

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