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ノボタン/のぼたん/野牡丹

Glory bush

のぼたん,開花期
ノボタンの花
野牡丹,葉
葉は質厚で葉脈が目立つ
つぼみ,ツボミ
蕾の様子
Glory bush
「草」のようだが幹は木質化する

 

【ノボタンとは】

・屋久島以南の各地に分布するノボタン科の常緑低木。乾燥した野原や林縁、道路の法面などに群生し、夏に鮮やかな花を咲かせる。フィリピン、インドシナ、台湾や中国大陸にも見られ、中国名は「野牡丹」。和名のノボタンはこれを音読みしたものだが、花の美しさをボタンに例えたもの、あるいは野生のボタンを意味するとされる。

 

 

・ノボタンの開花は地域によって5~8月。4~5枚ある花弁の色味には個体差があるが、おおむね咲き始めは色が濃く、花が進むと次第に色あせる。

 

 

・花は枝先に一輪だけ咲き、直径6~8センチほど。大きめではあるがボタンよりは明らかに小さい。雌しべ(花柱)は針状で1本。雄しべは10本あるが、うち5本は長めで紫色の葯があり、残り5本は短めで葯が黄色い。

 

 

・果実は黄褐色で長さ1~3センチほど。頂部には残存した萼があって壺型になる。果実が熟すのは冬で、自然に開裂する。食用になるが、学名にあるMelastomaは「黒い口」を意味し、果実を食べると口の中が黒紫色になる。果実や葉は染料に、根は薬用に使われる。

 

 

・葉は卵状の楕円形で縁にギザギザはなく、長さ5~12センチ。枝から対になって生じる。両面に毛があり、並行して走る5~7本の葉脈が著しい。枝葉には黄褐色で鱗状の剛毛に覆われる。

 

 

【ノボタンの育て方のポイント】

 

・酸性土壌を好むが、日当たりがよければ土質を選ばずに育つ。

 

 

・丈夫な性質を持ち、原産地では黄砂の吹き溜まりなどにも芽吹く。

 

 

・地植えでも越冬できるが、最低気温が5℃を下回る地域では防寒対策が必要。本州では温室で育てるのが一般的。

 

 

【ノボタンの品種】 

 

・シコンノボタン 

 ブラジルを原産とする近縁種で、シコンノボタン属に属する。花弁と雄しべは濃い紫色で、秋から春にかけて開花する。

 

 

・ムニンノボタン

 小笠原諸島に見られる品種。白あるいは淡い紫色の花を咲かせる。

 

むにんのぼたん,植物
ムニンノボタンは絶滅が危惧される

ノボタンの基本データ

 

【分類】ノボタン科/ノボタン属

    (半)常緑広葉/低木

【漢字】野牡丹(のぼたん)    

【別名】ハンコーギー

    ハンクワ/テーニー

    ハンケータブ

    ミーハンチャ

    ミーファンカ

【学名】Melastoma candidum

【英名】Glory bush 

【成長】やや早い

【移植】簡単

【高さ】1~2m

【用途】庭木(亜熱帯地方のみ)/鉢植え

【値段】800円~

 

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