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ナナミノキ/ななみのき/七実の木
Nanaminoki tree
【ナナミノキとは】
・静岡県以西の本州、四国及び九州の山地に分布するモチノキ科の常緑樹。関東ではあまり見かけないが、関西や九州では昔から庭木として普通に用いられる。日本以外では中国に自生が見られる。
・ナナミノキの葉は長さ7~12センチ、幅2~5センチの長楕円形。革質で表面に光沢があり、外見や性質はクロガネモチに似るが、先端が尾状に尖り、縁にまばらなギザギザがある。
・クロガネモチよりも葉の様子が涼しげであるため、現代的な家屋にも違和感がないとして人気がある。
・ナナミノキの開花は6月頃で、薄紫色をした直径5ミリほどの小花が葉の脇に咲く。雌雄異株で雄花は多数集まって咲くが、雌花はまばら。いずれも花弁と萼片は4枚で雄しべも4つあるが、雌花の雄しべは小さくて分かりにくい。
・花の後には球形~楕円球の果実ができ、10~12月頃になると赤く熟す。直径は6~10ミリほどでモチノキの仲間としては大きい。この果実の様子からナナミノキと命名されたが、語源は「七実の木」「名の実の木」「長実の木」と諸説ある。また、果実が歪んだ楕円であること、あるいは枝を折ると斜めに割れることを語源とする説もある。
・幹は直立し、樹高は最大12m、幹の直径は30㎝ほどになる。樹皮は灰白色~黄褐色。平滑で光沢があるが樹齢を重ねると白っぽい地衣類が付着して斑模様になることが多い。
・材は櫛や印鑑に利用し、樹皮からはモチノキやヤマグルマと同様、にトリモチを採取した。
【ナナミノキの育て方のポイント】
・雌雄異株であり、実がなるのはメスの木だけ。実がならない場合、それほど特徴のない「普通の木」という印象。実が目的であれば雌の木を植える必要がある。
・自生は暖地の山間であり、耐寒性はやや劣るものの関東地方以西であれば庭植えできる。土壌はあまり選ばないが、湿気と栄養分のある土地を好む。
・成長が遅く、それほど剪定の必要もないが、暖地であれば、刈り込みバサミで刈り込んで、背丈を抑えることもできる。
・都市部ではモチノキ同様にカイガラムシやハマキムシの被害に遭うことがある。
冬でも葉が青々して、近年注目の常緑樹ナナミノキ(七実の木)樹高1.5m 単木【常緑樹】【あす楽... |
ナナミノキの基本データ
【分類】モチノキ科 モチノキ属
常緑広葉 高木
【漢字】七実の木(ななみのき)
【別名】ナナメノキ/カシノハモチ
【学名】Ilex chinensis
【英名】Nanaminoki tree
【成長】やや遅い
【移植】普通
【高さ】5~12m
【用途】公園/主木
【値段】1000円~