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Shiratama tree
シラタマノキ/しらたまのき/白玉の木
【シラタマノキとは】
・北海道、中部以北の本州及び大山(鳥取県)に分布するツツジ科の常緑低木。玉のような白い果実ができるため、シラタマノキと名付けられた。高山~亜高山帯の岩場や崩落地に自生するが、花や果実を観賞するため、鉢植えとして栽培されることもある。
・園芸用に流通する際は学名に起因するゴールテリアと呼ばれることが多い。ゴールテリアはカナダの自然科学者であり、裁判医でもあったゴールサーの名にちなむ。
・別名のシロモノは、近縁種で赤い実がなるアカモノ(イワハゼ)に対するもの。
・シラタマノキの葉は長さ1~3センチ、幅0.5~1.5センチほどの楕円形で先端は丸みを帯び、縁には細かなギザギザがある。
・厚い革質で表面には光沢があり、淡い緑色になる裏面は中央の葉脈上に短い毛があるため、触れるとザラザラする。
・シラタマノキの開花は6~8月。枝先から伸びた2~7センチの花序に、壺型の白い花が1~6輪ずつ下向きに咲く。花は直径6ミリほどで先端は緑色あるいはピンク色。浅く五つに裂けてわずかに開く。
・雌しべは1本で長さは3センチほど。10個ある雄しべの葯の先には、著しい突起が4つずつある。花と果実は同じような雰囲気だが、名前の由来となる果実の方が花よりも目につく。
・花の後にできる果実(偽果)は直径1センチほどの球形。8~10月に熟すと白くなるが、表面は萼が膨れて多汁質になったもの。これを潰すと薬品のような香りがあるため生食には向かないが、果実酒として利用することはできる。
・枝(幹)は横に這う地下茎から分岐して斜上し、樹高30センチほどに育つ。若い枝は細く、無毛あるいは短毛を生じる。地下茎は長く横に伸びるため、群生することが多い。
【シラタマノキの育て方のポイント】
・自生は高山~亜高山であり、暑さに弱い。低地の都会で庭植えするのは難しく、鉢植えにした場合も、夏は風通しのよい半日陰に移動するなどの配慮が必要。
・花は前年に伸びた枝に咲くため、秋以降に剪定すると翌年の開花や結実が乏しくなる。
・自然樹形を楽しむ木であり、野趣を損なわないためにも手入れは最低限度にとどめる。病害虫の被害は少ない。
【シラタマノキの品種】
・アカモノ
・コケモモ
シラタマノキの基本データ
【分類】ツツジ科/シラタマノキ属
常緑広葉/低木
【漢字】白玉の木(しらたまのき)
【別名】ゴールテリア
シロモノ
【学名】Gaultheria pyroloides
【英名】─
【成長】遅い
【移植】簡単
【高さ】10~30cm
【用途】鉢植え/果樹
【値段】1000円~