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オオカナメモチ/おおかなめもち/大要黐
Taiwanese photinia
【オオカナメモチとは】
・暖地の山間に見られるバラ科の常緑樹。葉や花がカナメモチよりも大型であるためオオカナメモチと名付けられた。本種自体は無名に近いが、住宅地の生垣として多用されるレッドロビンは本種を片親とする園芸品種。
・日本での自生は稀で、岡山県、愛媛県(宇和島)、奄美大島、西表島などの一部地域にのみ育ち、絶滅も危惧される。日本以外では中国、インドネシア、フィリピンに分布し、アメリカでは有数の垣根として植栽される。
・葉は枝から互い違いに生じ、先端の尖った楕円形になる。長さ10~20センチ、幅4~8センチでカナメモチよりも大きい。
・革質で表面には光沢があり、成長の盛んな葉の縁にはトゲのようなギザギザが目立つ。枝は長く伸びて垂れ下がり、鬱蒼としやすい。なお、中国名は石南葉であり、シャクナゲ(石楠花)と混同しやすい。
・新芽は紅色あるいは薄緑色で、紅色が鮮やかなカナメモチやレッドロビンに比べると控えめである。カナメモチやホルトノキと同じように新葉が展開すると古い葉は赤くなって落ちる。
・オオカナメモチの開花は4~6月。直径6~8ミリほどの白い花が多数集まり、お椀状の大きな花序を形作る。
・花序はカナメモチよりも大ぶりだが、花弁の内側に毛がないという点以外は、さほど変わりない。開花期には多数の昆虫が集まるが、花の香はあまり芳しくなく、むせ返るような匂いがある。
・花の後には直径6~8ミリほどの球形の実が成り、冬季に赤く熟す。実の中には種が1粒ずつ入るが、挿し木で増やすことが多い。
・樹皮は灰褐色で、樹齢を重ねると不規則に剥離する。カナメモチと同様に材は硬く、テツリンジュ(鉄林樹)という別名がある。
【オオカナメモチの育て方のポイント】
・土質を選ばずに育つが、日照と養分が不足した場合、葉の色は悪く、枝葉はまばらになる。また、花付きも悪い。
・中国やアメリカでは生垣として利用されるが、カナメモチやレッドロビンに比べると大型であり、土地の狭い日本では扱いが難しい。また、枝葉がまばらであるため、目隠しにはなりにくい。
・自生地以外では、うどん粉病、炭疽病、テッポウムシ等の被害に遭いやすい。定期的に剪定するなどして防除する必要がある。
【オオカナメモチとカナメモチ】
・葉の大きさは画像のとおり、全く異なる。また、オオカナメモチは花弁の内側に毛がなく、カナメモチには毛がある点も見分けのポイントとなる。
オオカナメモチの基本データ
【分類】バラ科/カナメモチ属
常緑広葉/小高木
【漢字】大要黐(おおかなめもち)
【別名】ナガバカナメモチ
タロコビワ
テツリンジュ(鉄林樹)
【学名】Photinia serrulata
【英名】Taiwanese photinia
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】4m~10m
【用途】垣根/公園
【値段】─