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エリカ/えりか
Heath
【エリカとは】
・南アフリカ及び地中海沿岸のヨーロッパを原産とするエリカ属の低木の総称で、ヒースと呼ばれることも多い。エリカという名前はギリシャ語で「破る」を意味するereikaに由来するが、詳細は分かっていない。
・日本では昭和の始めには多数の品種が輸入されたが、多くは環境が合わず淘汰され、耐寒性の高いわずかな品種が生き残った。
・日本で最も流通量の多いのはジャノメエリカ。南アフリカのケープ地方を原産とし、大正末期から昭和の始めに渡来した。花の中心部にある黒い模様がよく目立ち、蛇の目に見えること、あるいは葉の出方が蛇の目に見えることから名付けられた。株が大きくて花期が長めで見栄えがするため、人気が高い。
・葉は長さ1センチほどの針状で遠目にはスギのように見えるが、先端は丸みを帯び、触れてもチクチクしない。普通3~6枚の葉が一まとまりになって生じる。
・エリカは常緑樹であり、冬季でも葉は緑色を保つのが基本だが、霜の多い場所では褐色を帯びることもある。
・花は壺型で、小枝の先端に3輪単位で密生する。蛇の目に見えるのは雌しべの花柱と雄しべの葯。花は長さ5ミリほどで先端は浅く四つに裂ける。
・エリカの花色は紅色が基本だが、個体や品種によってバリエーションがある。開花は12~3月で、花の後には乾いた果実ができる品種もあるが、多くは開花しても結実しない。
【エリカの育て方のポイント】
・荒地を意味する「heath」がそのまま英語名になっているように、条件の悪い場所でも育つが、基本的には温暖で水はけの良い場所を好む。植栽の適地は関東地方以西の太平洋沿岸。
・エリカは属名であり、品種にって性質が大きく異なる。日本で馴染みの深いジャノメエリカなどのアフリカ系は夏の高温には強いが、寒さには弱い。エリカカルネアなどヨーロッパ系は寒さに強いが、暑さには弱い。
・剪定によって枝数を増やし、株立ち状に育てるのが普通。枝は細く繊細であり、折れやすい。
【エリカの品種】
ジャノメエリカに似て耐寒性の高いダーリーエンシス、白い花が咲くスズランエリカ、花色の濃いレッドクイーン、冬咲きのアワユキエリカ、エリカカルネア、夏咲きのエリカキネレアなど多数。
【エリカに似ている木】
・エリカモドキ
東部オーストラリアを原産とするクノニア科の常緑低木で、日本ではアイノカンザシ(愛の簪)という名前もある。枝葉の雰囲気はエリカに似ているが、花の形は明らかに異なる。
エリカの基本データ
【分類】ツツジ科/エリカ属
常緑広葉/低木
【漢字】─(えりか)
【別名】ハナスギ/クロシベエリカ
アフリカエリカ
【学名】Erica Linn
【英名】Heath
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】0.2m~3m
【用途】公園/鉢物/生け花
ロックガーデン
【値段】600円~
この木のレビュー(思い出話や豆知識をお気軽にどうぞ)
管理人 (火曜日, 07 3月 2023 20:00)
品種にもよると思いますが、害虫の影響がなければ10年以上はいけると思います。たいてい大きくなりすぎて、無茶な剪定によって枯れてる気がします。
ミル (火曜日, 07 3月 2023 06:27)
樹齢は何年でしょうか?
管理人 (月曜日, 02 4月 2018 20:21)
ジャノメエリカも私には紫系統に見えますが、もっと濃い色ならアクアレッドという品種でしょうか。折り紙や絵の具のような真紫の品種となると分かりません。色の話は人によて捉え方が様々ですので難しい面があります。高さ1m程度というのは十分にアリです。
チャオ (月曜日, 02 4月 2018 16:09)
これは、葉は似ていますが、紫の花もありますか?高さは1mくらいのもありますか?