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エゾユズリハ/えぞゆずりは/蝦夷譲葉
Ezo yuzuriha tree
【エゾユズリハとは】
・北海道及び中部以北の本州に分布するユズリハ科ユズリハ属の常緑低木。北海道(蝦夷)に見られるユズリハという意味合いでエゾユズリハと名付けられたが、本州日本海側の多雪地帯にも自生する。
・暖地に多いユズリハの多くは幹が1本で、比較的大きく育つが、本種は複数の幹が株立ち状に生じ、雪の多い地方では幹の下部が横に這うように伸びる。これは豪雪に対応するためで、しなやかな枝は雪の重みに耐え、樹高は3m程度にしかならない。
・ユズリハに比べて管理しやすいため、積雪地帯以外でも公園などに植栽されることがある。また、積雪地帯ではユズリハの代用としてダイダイやウラジロと共に正月飾りに使われる。
・エゾユズリハの開花は新葉が展開する5~6月ころ。雌雄異株で雄の木には雄花が、雌の木には雌花が咲くがいずれも花弁や萼はなく、花とは気付きにくい。
・雄花は8~10本の雄しべからなり、紫がかった褐色の葯が目立つ。雌木に咲く雌花には1つの雌しべ(柱頭)と退化した雄しべがある。
・エゾユズリハの葉は長さ10~15センチほどの長い楕円形でユズリハよりやや小さく、質は薄い。また、葉の裏面はユズリハよりも色濃く、葉脈が少ないのも特徴。葉は枝先に集まって互い違いに生じ、新葉の葉柄はユズリハよりも顕著に紅くなることが多い。
・雌花の後にできる果実は直径1センチほどの球形で長い柄があり、10~11月になると黒く熟して表面に白い粉を吹く。
・葉や樹皮にはユズリハ同様、有毒成分が含まれており、牛馬がこれを誤食すると食欲不振、起立不能、急性胃腸炎、呼吸麻痺、心臓麻痺を引き起こす。
【エゾユズリハの育て方のポイント】
・ユズリハよりも寒さに強く、比較的暗い場所でも育てることができる。ただし暗い場所では枝葉が間延びしやすい。
・暑さにはやや弱く、植栽の適地は中部以北となる。
・枝葉が大型で見た目がすっきりしているため剪定もしやすいが、それほど手をかけるような木ではない。半ば放任気味に育て、数年に一度、株元で枝を切って更新すれば樹勢を維持できる。
・花は前年に伸びた枝葉の付け根に咲くため、開花前に剪定すると花や実が望めない。
【エゾユズリハに似ている木】
・ユズリハ
東北地方南部~沖縄に分布する基本種で、エゾユズリハよりも樹高は高くなる。
西日本に多いユズリハの仲間。エゾユズリハの葉はユズリハよりもやや小さい程度だが、ヒメユズリハの葉は明らかに小さく、裏面の網状脈が目立つ。
エゾユズリハの基本データ
【分類】ユズリハ科/ユズリハ属
常緑広葉/低木
【漢字】蝦夷譲葉(えぞゆずりは)
【別名】エゾユズ/ヒナユズリハ
【学名】Daphniphyllum macropodum
Miq. var. humile
【英名】Ezo yuzuriha tree
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】1m~3m
【用途】公園
【値段】500円~