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インドボダイジュ/いんどぼだいじゅ/印度菩提樹
Bo-tree/Indian fig
【インドボダイジュとは】
・インド、スリランカ及びミャンマー等の熱帯雨林地域を原産とするクワ科の常緑樹。原産地では街路樹として数多く植栽され、インドでは国の木とされる。
・寒さに弱いため、日本では一部地域を除いて露地植えはできず、観葉植物として普及している。
・釈迦がこの木の下で49日間瞑想して悟りを開いたとされ、仏教徒の間ではムユウジュ、サラソウジュとともに神聖視される。東南アジアの各地に大木があり、村落の守り神として保護されることも多い。
・日本でボダイジュと呼ばれる木には、中国原産のボダイジュ、セイヨウボダイジュ、ナツボダイジュ、フユボダイジュ、そしてこれに類するシナノキやセイヨウシナノキがある。それらは寺院に植栽されて、果実から数珠を作ることもあるが、シナノキ科に属しており、釈迦の悟りとは関係がない。
・本家のボダイジュは本種だが、日本へ紹介された時すでに中国原産の木がボダイジュとして広まっていたため、本家である本種をインドボダイジュと呼んで区別するようになった。
・インドボダイジュの葉は縦長のスペード形で、新葉はピンク色になる。長い葉柄があるため風が吹くとヤマナラシのように音を奏でる。
・葉の先端が尾状になるのが特徴だが、これは雨露を根元にまんべんなく集めるためで、多方向に向かって伸びている。
・葉は肉厚で表面は光沢のある濃緑色。裏面は細かな毛があって白っぽくなる。熱帯では常緑だが、環境によっては半落葉性となる。
・花言葉は「夫婦愛」「情熱の恋」「長寿」などだが、花はイチジク、アコウ、オオイタビなど他のイチジク類と同様に外から見えず、花嚢の中で突起状になって無数に咲く。
・花が終わると花嚢は果嚢となって内部に種子ができるが、長さ1ミリほどの小さな粒であり、インドボダイジュの種子で数珠を作ることはできない。野鳥によって拡散された種子は木や岩の上にも着床し、力強く育つ。
・幹は白灰色で裂け曲が入り、樹齢を重ねるとガジュマルのように気根を生じる。樹皮はなめし皮や染料に使われる。
【インドボダイジュの育て方のポイント】
・生育には日照が不可欠であり、日差しが不十分な場所では枝が間延びしたり、葉が色褪せたりして見苦しくなるばかりか、枯れることもある。
・温暖化の影響によって屋外で越冬できる地域が増えつつあるものの、外気温が10℃を下回るような場所では露地植えできない。
・室内での栽培が基本だが、温暖な時季は日中、外へ出して日に当てることによって成長を促進し、ハダニやカイガラムシ等の被害を防ぐことができる。ただし、強過ぎる日差しは逆効果であり、夏場は明るい日陰に置いた方がよい。
インドボダイジュの基本データ
【分類】クワ科
イチジク(フィカス)属
常緑広葉/高木
【漢字】印度菩提樹(いんどぼだいじゅ)
【別名】テンジクボダイジュ
【学名】Ficus religiosa Linn.
【英名】Bo-tree/Indian fig
【成長】早い
【移植】やや難しい
【高さ】5~20m
【用途】日本では観葉植物
【値段】─