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アリドオシ/ありどおし/蟻通し

Aridoshi tree 

赤い実,アリドオシ
「一両」として知られるアリドオシの実は10月頃にでき始める
ありどおし,ありどうし,一両
実生で増え、薄暗い樹林内で育つ
アリドウシ,木の高さ,ありどおし
葉は長さ1~2.5㎝で、樹高は1mに満たない
蟻通しの花,画像,ありどおし
初夏に長さ1センチほどの小さな花が咲く
ありどおしの木,ありどうし
アリドオシの花
アリドウシの木,アリドオシ,ありどおし
花先は四つに裂け、雄しべが顔を出す
一両,草花
でき始めの実は緑色
ありどうし,植物
2個並んでできるのが基本
小さな赤い実がなる低木
実の直径は5~7mm
一両 庭木図鑑
樹皮の様子

 

【アリドオシとは】

・関東以西の本州、四国、九州及び沖縄に自生するアカネ科の常緑低木で、暖地の常緑樹林に多い。葉の付け根に長いトゲがあるのが特徴で、このトゲが小さな蟻をも刺し通すとして「蟻通し」と名付けられた。日本固有種ではなく韓国や東南アジアにも分布する。

 

 

・条件の悪いところでも育ち、花の少ない時季に赤い実をつけるため、和風庭園では他の樹木の下に「根締め」として使ったり、水鉢の前に植えて楽しむ。

 

 

・同じように冬に赤い実をつけるマンリョウセンリョウヒャクリョウ(カラタチバナ)、ジュウリョウ(ヤブコウジ)、オクリョウ(ミヤマシキミ)とともに縁起のよい木とされる。 

 

 

・古い造園の世界では、センリョウ、マンリョウと共にこれを植え、「千両、万両、有り通し(=年中お金に困らない)」と洒落込むことがあった。関西地方では正月の床飾りに使う。

 

 

・アリドオシの葉は長さ1~2.5センチほどの楕円形で厚みがあり、先端は短く尖る。 

 

 

・葉は枝から対になって生じ、大きめの葉と小さめの葉が交互に並ぶ。表面に光沢があるため、光を当てれば画像のように反射する。刺は葉の脇から生じ、葉よりも長くなる。 

 

 

・アリドオシの開花は初夏(5月頃)で、葉の付け根にラッパ型の白い花を1~2輪咲かせる。 

 

 

・花は長さ1センチほどで先端が四つに分かれ、その内側には柔らかな毛が密生し、四つある雄しべが外へ飛び出す。薄暗い林内では多くの花は咲かず、果実と同様にあまり目立たない。

 

 

・10月から成熟する果実は直径5~7ミリほどで、中には2~3粒の種子を含む。翌5月頃までの長い間、枝に残るため「(赤い実が)有り通し」として名付けられたという説もある。 

 

 

・果実は2個並んでできるが、センリョウマンリョウほど多くの実は付けず、その地味さゆえに別名「一両」となった。小さな実はよく見ると先端に花の名残である「萼片」が残っている。 

 

 

・アリドオシという名前の由来については既述のほか、枝が地上低く横に広がるため、蟻ぐらいしか、その下を通ることができないことにちなむという説もある。 

 

 

・樹高は最大でも60センチほどで、主となる幹(枝)は必ず二股に育つ。樹皮は灰白色で剥離や皮目は目立たず、一見すると「ただの棒」という感じ。

 

 

【アリドオシの育て方のポイント】

・自生地は山地の乾いた林内で、薄暗い場所にまとまって生えていることが多い。園芸品種には適応力があり、土を選ばずに育ち、かなりの日陰でも赤い実をつける。

 

 

・日当たりの強い場所では葉焼けを起こすため、直射日光は避けて植えた方がよい。

 

 

・耐寒性はあるものの、冬の寒風には弱く、枝葉はまばらになりがち。寒い地方では他の植木の陰になるような場所に植えるのがよい。植栽の北限は茨城県北茨城市とされる。

 

 

・成長すると枝葉は平に広がり、地を這うような独特の樹形になる。幹が細く、弱々しい印象を受けるが、剪定には耐える。ただし、成長は遅めであり、実質的にはそれほど剪定の必要がない。もちろん、棘があるため手入れは厄介で、刺さると痛い。

 

【アリドオシの品種】

・ヒメアリドオシ

 アリドオシよりも枝が細かに分岐し、トゲは通常のものよりはるかに長い。市場での流通量は少なめで、採取した実から育てることが多い。

 

 

・オオアリドオシ(ジュズネノキ/ニセジュズネノキ)

 葉が大型(10センチほど)で、トゲが葉よりも短い品種。自生地はアリドオシと同様だが、別名のとおり根が数珠のような団子状になるのが特徴。葉の長さが6センチほどになるリュウキュウアリドオシや、トゲがほとんどないナガバジュズネノキという品種もある。

 

アリドオシの花 画像
オオアリドオシ(ジュズネノキ)の花

 

・白実アリドオシ 

 文字どおり、白い実がなる品種。園芸用として稀に流通する。

 

 

・斑入りアリドオシ  

 葉に白い模様が入る品種。アリドオシよりも明るい印象があり、洋風の庭の下草としても違和感がない。模様の入り方によって白覆輪などの名前がある。 

 

アリドウシ,斑入り,ありどおし
葉に模様が入るフイリアリドオシ 

 

【アリドオシに似ている木】

タチバナモドキ 

 本種とは全く関係ないが枝にトゲがあり、生け花の世界でアリドオシと呼ばれることがある。

 

アリドオシの基本データ 

 

【分類】アカネ科 アリドオシ属

    常緑広葉 低木

【成長】遅い 

【漢字】蟻通し(ありどおし)

【別名】イチリョウ(一両)

    ジュズネノキ(数珠根木)

    アリドウシ

【学名】Damnacanthus indicus 

【英名】─(Aridoshi tree)

【移植】簡単 

【高さ】0.3m~0.6m

【用途】下草/盆栽(床飾り)

【値段】500円~

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