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ヨメナ/よめな/嫁菜
Yomena(Aster)/Kalimeris
【ヨメナとは】
・中部以西の本州、四国及び九州に自生するキク科の多年草。田畑の畔や川べりなど、湿った場所を好んで育つ。代表的な野菊で、花の美しさを新妻に擬えてヨメナと名付けられた。若菜には春菊のような香りがあり、山菜としても人気が高い。漢名は「鶏児腸」、古名を「うはき」あるいは「おはぎ(をはぎ)」という。
・葉は長さ8~10センチ、幅3センチほどで茎から互い違いに生じる。食用となる若葉は柔らかで、やや紫色を帯びるが、成葉は濃緑で表面はピカピカしており、縁には粗いギザギザがある。春先に摘んだ葉は天婦羅、煮浸し、和え物などにして食べる。「ヨメナ飯」という混ぜご飯にするのはこのヨメナで、関東地方に生えているカントウヨメナは使わない。
・開花は夏から秋で、茎から枝分かれした花茎の先端に画像のような花を一輪ずつ咲かせる。花は直径3センチほどで、中央部にある黄色の管状花と、周囲を囲む淡い青色の舌状花に分けられる。花の色合いや開花期間にちなんで、ゲンペイコギク(源平小菊)、ムキュウギク(無休菊)といった別名がある。花や蕾も食用となり、天婦羅や花酒にして利用する。
・花の後にできる果実は長さ3ミリほどで、先端には冠毛と呼ばれる毛を生じる。これがヨメナ属の特徴だが、ノコンギクなどに比べると冠毛はあまり目立たない。
・ヨメナは地表付近に長い地下茎をさかんに伸ばし、これによって繁殖する。
【ヨメナの品種】
関東以北に分布し、草丈がより低く、果実の冠毛(上端にある毛のような突起)がヨメナよりも短い。かつてはヨメナとカントウヨメナを同一のものとしていた。葉はヨメナに比べると質がやや薄い。
・ユウガギク(柚香菊)
葉が薄く、茎がより細く、白い花が咲く品種。名は葉を摘むとユズの香りがすることにちなむ。
・ゴマナ
似たような花を咲かせるが草丈が1m以上になる。
ヨメナに似た花を咲かせるが、葉の表面に光沢がない。この栽培品種には花弁が舌状になるチョクザキヨメナがある。
別名をムコナ(婿菜)といいヨメナ同様、若菜を食用する。ヨメナはムコナよりも美味しく、花も優しげであるためムコナとの対比でヨメナになったという説もある。
ヨメナの基本データ
【分 類】キク科/ヨメナ属
多年草
【漢 字】嫁菜(よめな)
【別 名】オハギ/オハギナ
ハギナ/ヨメガハギ
ゲンペイコギク(源平小菊)
ムキュウギク(無休菊)
【学 名】Kalimeris yomena
【英 名】Yomena(Aster)/Kalimeris
【開花期】7~10月
【花の色】淡い青紫、白
【草 丈】~120cm