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ユキノシタ/ゆきのした/雪の下・雪の舌

Strawberry saxifrage

ゆきのした,花
大の字になるユキノシタの花言葉は「深い愛情」
虎耳草,読み方
若い茎葉には毛が多い
雪の下,植物
ユキノシタの葉の様子
雪の下,草花,ゆきのした
丈夫な性質を持ち、日陰地のグランドカバーにも重宝する(花の時季)
ゆきのした,植物
上方の花弁には赤紫の模様が入る
ゆきのした,草花
ユキノシタの開花は5~7月頃

 

【ユキノシタとは】

・北海道を除く日本全国に分布するユキノシタ科の多年草。民家の裏庭や石垣、雑木林、法面などで普通に見られる。やや湿った日陰を好み樹木の下でも育つことや、常緑性で冬にも濃緑の葉を持つことから、日当たりの悪い場所の下草として庭園等にも使われる。

 

・ユキノシタは中国にも見られるが、古い時代に薬用あるいは食用として中国から渡来したものが寺院に植栽され、その後に野生化したという説と、日本も自生地とする説がある。別名はキジンソウ、キンギンソウ、ミミダレグサなど。

 

・現代ほど医学が進歩していなかった時代においてユキノシタは家庭の常備薬のような存在であり、生葉の絞り汁を子供のちょっとした風邪や、ひきつけ(小児痙攣)に用いた。生薬名は「虎耳草」。

 

・「ひきつけ」のための薬効はなく、苦い汁で子供を驚かせることが狙いだが、葉や茎には解毒作用のあるベルゲニンという成分が含まれ、切り傷、腫物、しもやけ、あせも、ニキビなど皮膚の炎症等を鎮める効果は科学的に認められる。また、中耳炎(耳垂れ)にも使われ、別名を「ミミダレグサ」という。

 

・肉厚の葉には特有の苦みがあるものの、天婦羅、和え物、御浸しなどにして食用され、京料理では掻敷(敷物)にも使われる。葉は株元から伸びた葉柄の先に生じ、縁にヒダのある丸型となる。表面は濃緑色で白い脈と赤褐色の粗い毛があり、裏面は赤紫色を帯びる。葉の様子を虎の耳に見立て、原産地の中国では「虎耳草(こじそう)」という。

 

・ユキノシタの開花期は5~7月で、株元から伸びた30センチほどの花茎に白色の小さな花が咲く。ユキノシタという名前の由来には諸説あるが、葉の上に雪が降り積もったように花が咲くことよるとするのが一般的である。

 

・花びらは5枚あるが不揃いであり、上の3枚が小さく、下の2枚が大きいため、漢字の「大」のようになる。上の3枚は薄いピンク色で赤紫色の斑点があり、近くで見ると美しい。下の3枚は白くて舌のように長く伸び、これを「雪の舌」とし、名の由来とする説もある。花も花茶や、椀だねとして食用する。

 

・花の後には種子ができ、これによって増やすことができるが、ユキノシタの繁殖は株元から生じる蔓状の「匍匐枝」によるところが大きい。縦横無尽に広がる匍匐枝は、その先端から根を出して新たに株を作る。匍匐枝は赤い針金のように細くて除去しにくいため、庭園においては意図せずに繁茂することがある。

 

【ユキノシタの品種】

・フイリユキノシタ

 葉の白い模様が原種よりも鮮明な品種。

 

・アオユキノシタ

 葉に模様がなく、緑一色になる品種

 

・ホシザキユキノシタ

 5枚の花びらが全て同じ大きさになる変種あるいは品種。大正時代に筑波山で発見、命名され、同市の「市の花」に指定されている。

ほしざきゆきのした,植物
ホシザキユキノシタ

 

・ハルユキノシタ

 関東~近畿に分布する近縁種で山地の岩場に自生する。花はユキノシタに似るが開花は早春で、葉にはユキノシタのような模様がない。

はるゆきのした
ハルユキノシタ

 

【ユキノシタに似ている草花】

ダイモンジソウ(大文字草) 

 山地の沢や岩場に自生するユキノシタの仲間。ユキノシタ同様、花の形が「大」に見えるとして名付けられた。山野草としてはユキノシタよりもはるかに人気がある。

 

・ヒマラヤユキノシタ

 ヒマラヤ周辺を原産とするユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の多年草。常緑の葉や春に咲くピンクの花を観賞するため園芸用に流通する。葉が艶やかであり質感はユキノシタと全く異なる。

ひまらやゆきのした
ヒマラヤユキノシタ

ユキノシタの基本データ

 

【分 類】ユキノシタ科/ユキノシタ属

     多年草 

【漢 字】雪の下/雪の舌

     鴨足草

     虎耳草(ゆきのした)

【別 名】キジンソウ/キンギンソウ

     ミミダレグサ/虎の耳

【学 名】Saxifraga stolonifera

【英 名】Strawberry saxifrage

     Strawberry geranium

【開花期】5~7月

【花の色】

【草 丈】~60cm

 

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