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マツカゼソウ/まつかぜそう/松風草
White Himalayan Rue
【マツカゼソウとは】
・東北南部以西の本州、四国及び九州に分布する多年草で、半日陰かつ湿気のある林縁などを好んで生じる。日本に自生するミカン科の植物では唯一の「草」であり、特異な存在とされる。
・マツカゼソウという名前の由来は不詳だが、柔らかな葉が風に揺れる様にちなむものと思われる。しかしその優雅さとは裏腹に、全草にメチルノニルケトンという有毒物質を含み、誤って口にすると下痢や腹痛を引き起こす。
・開花は秋で、茎の先端に小さな白い四弁花を、まばらな円錐状に咲かせる。花の後にできる果実は卵形をした四つの小さな果実(分果)からなり、その表面には同じミカン科のサンショウやゴシュユと同じように細かな凹凸がある。
・葉は画像のような羽根状になり、長さ5~10センチの柄がある。小葉の大きさは不揃いだが、何れも薄くて丸みを帯びる。葉の裏面は白っぽく、陽光に透かして見るとミカン科に共通の「油点」があり、葉を手で揉むと柑橘系の匂いがするが、人によっては不快な香りであり、エゴグサという別名もある。
・漢名は「臭節草」で、民間療法ではこれを神経痛に用いる。開花期に刈り取った地上部を乾燥させ、細かく刻んだものをホワイトリカーに漬け、ガーゼなどを使って患部に塗って使う。
マツカゼソウの基本データ
【分 類】ミカン科/マツカゼソウ属
多年草
【漢 字】松風草(まつかぜそう)
【別 名】エゴグサ
【学 名】Boenninghausenia japonica
【英 名】White Himalayan Rue
【開花期】8~10月
【花の色】白
【草 丈】~80cm