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シュウカイドウ/しゅうかいどう/秋海棠
Hardy begonia
【シュウカイドウとは】
・ヒマラヤからマレーシアにかけた地域に分布するベゴニアの仲間。シュウカイドウ科の多年草で、秋に咲く花の色合いがカイドウ(海棠)に似るため、秋に咲くカイドウとしてシュウカイドウ(秋海棠)と名付けられた。
・日本へ渡来したのは江戸の寛永年間(1624~44)。日陰の湿地を好み丈夫な性質を持つため、庭園の下草などとして広く普及した。野生化したものが本州以南の人家周辺にも見られ、栃木県では渓流沿いに繁殖している。
・シュウカイドウの開花は8~10月で、品種によって淡い紅色あるいは白の花が咲く。花には雌雄があるが、黄色い雄しべを抱える、より派手な花が雄花で、雌花はその陰で地味に咲く。花の様子が仏像などを飾る瓔珞(ようらく)に似るとして、ヨウラクソウという別名がある。
・雌花の後にできる果実(蒴果)には3枚の翼があり、うち一つは特に大きい。果実の中には微粒の種子が入っており、これが拡散して繁殖するが、晩秋にできる小さな肉芽(むかご)が地上に落ちることによっても増殖する。
・茎は高さ40~60センチになり、断面は円形及び楕円形。多肉質で柔らかく、先端付近での枝分かれが多い。葉の付け根では節になり、その付近は赤みを帯びる。
・葉は茎から互い違いに生じ、直径は15センチほど。ハート形に近いが左右非対称形で、象の耳のように見えるため、英名にはエレファントイヤーというものがある。表面は鮮やかな緑色で葉脈が目立ち、赤い葉柄とコントラストをなす。
・開花期に採取した葉や茎をすりつぶし、タムシなど皮膚の炎症にかかる湿布薬とする民間療法があるが、シュウカイドウの葉や茎には蓚酸カルシウム及びベゴニンという有毒物質が含まれており、アレルギー体質の場合はさらなる炎症を起こし得る。また、誤って食べると下痢や激しい腹痛を引き起こす可能性がある。
・シュウカイドウは土壌の水分を保持する力が高いため、土壌の流出や表土の保湿を目的とし、水際の景色を演出する植栽にも活用される。
シュウカイドウの基本データ
【分 類】シュウカイドウ科
シュウカイドウ属
多年草
【漢 字】秋海棠(しゅうかいどう)
【別 名】瓔珞草(ヨウラクソウ)
【学 名】Begonia grandis
【英 名】Hardy begonia/Elephant ear
【開花期】8~10月
【花の色】淡い紅~白
【草 丈】~60cm