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ワレモコウ/われもこう/吾亦紅

Great burnet 

ワレモコウ 山野草 花
初秋に咲くあずき色の花は、上から順に開く
われもこう,植物
新葉は折り畳んだよう
われもこう,水滴
湿度の高い早朝には葉の縁から水が滴る
吾亦紅,吾木香
若葉は食用になる
植物,山野草
ワレモコウの葉
われもこう
裏面の様子
waremokou
地味さゆえに「我も紅」と主張している
われもこうの花
花穂は小花の集合体 よく見ると黄色いシベがある
ワレモコウの花,われもこう
蜜を目当てに虫が集まる
吾亦紅の開花時期
草丈は1mほどになる
われもこう,山野草
真冬の様子

 

【ワレモコウとは】

・日本全土に自生するバラ科の多年草。日当たりのよい野山の草原に自生するが、夏から秋にかけて咲く花を観賞するため、庭植えや鉢植えにも使われる。ススキなどと一緒に月見に飾られることもあり、地方によってはダンゴバナ、ダンゴイタダキなどと呼ぶ。

 

・ワレモコウの開花は7~10月で、高さ1mほどの細い花茎を立ち上げる。花は暗い紅色の穂状で、俵のような円筒形。果実のように見えるが、花弁のない数ミリの小花が多数集まる。かなり地味な花である上に他の植物に埋もれるよう育つが、秋の侘しさを象徴する植物として、源氏物語や徒然草にも登場。秋の季語として数多くの俳句に謳われる。

 

・葉は小さなが葉が複数集まった羽根状で根っこから直接生じるのが大きな特徴。一つ一つの葉は細長い楕円形で、縁にはギザギザがあって羽根状になる。葉を揉むと特有の香りがあるが、食糧難の時代にはこの若菜を米に混ぜ、カサ増しして食したという。味はほとんどないが、天婦羅にして食べれは風味があっておいしい。

 

・茎はまっすぐに伸び、上の方で分岐する。根は太く、横に広がる。根茎には多量のサポニンやタンニンを含み、煎じて飲めば下痢止め、止血等に、煎じた液は切り傷や火傷に効果があるという。漢方での生薬名は「地癒(ちゆ)」。花も染料に使われるなどワレモコウは実用性が高い。

 

・非常に耳に馴染むワレモコウという名の由来には諸説あり、はっきりとしないが、地味な花が「我も紅」と主張しているという説は興味深い。花言葉は「変化」「もの思い」など。

 

【ワレモコウの品種】

・ヒメワレモコウ

 背丈が15センチほどにしかならない。

姫われもこう
ヒメワレモコウ

 

・斑入りワレモコウ

 葉に白いまだら模様が入る品種。茶華として使われる。

 

【ワレモコウに似ている草花】

カライトソウ

 

・ナンブトウウチソウ

 

・タケネトウウチソウ

 

・ナガボノアカワレモコウ

長穂の赤吾亦紅
ナガボノアカワレモコウ

 

ナガボノシロワレモコウ

 北海道~関東に分布する近縁種。白くて長い花穂に咲く花は、ワレモコウと違って雄しべが突き出ている。

ワレモコウの基本データ

 

【分 類】バラ科/ワレモコウ属

     多年草

【漢 字】吾亦紅/吾木香

     我毛香/玉鼓(われもこう)

【別 名】ダンゴバナ/ウマズイカ

     ダンゴイタダキ

【学 名】Sanguisorba

     officinalis L.

【英 名】Great burnet 

【開花期】~10月

【花の色】紅色

【草 丈】~100cm

 

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