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ワラビ/わらび/蕨
Western bracken fern
【ワラビとは】
・北海道~沖縄に分布するコバノイシカグマ科のシダ植物。山地の草原や丘陵、土手などに自生し、若芽や根を食用することで知られる。丈夫な性質を持ち、日当たりが良ければ道端などでも大群落を作って育つ。
・ゼンマイやフキノトウと共に人気の山菜で、平安時代には既に食用されていた。ワラビは世界の各地に分布するが、特有の香りとぬめりのある食感を味わうのは日本特有の食文化。しかし、我々が口にするのは輸入品が多い。漢名は蕨菜(けつさい)。
・若い芽の先端が内巻になるのが特徴的であり、この様子をワラビ巻きというが、これはワラビに限らず他のシダ植物でも見られる。しかし、多くの植物は放射状にまとまって葉柄を伸ばすが、ワラビは1本ずつバラバラに伸びる特徴を持つ。また、よく似たゼンマイは単独で新芽ができるが、ワラビは三つずつできる。
・葉は長さ2センチほどの小葉が複数集まる羽根状。基部が三股になっており、全体としては三角形に近い卵形になる。葉の質は硬く、裏面には柔らかな細毛を密生させるが、繁殖のための胞子はここにできる。ワラビの葉は日向で旺盛に育つが日陰になると枯れ、また、冬季に地上部が枯れても翌春まで枯れた状態で残存する性質を持つ。
・食用になるのは新葉が開く前の握り拳のような若い芽と柄。3~5月がシーズンであるが、新芽は7月頃まで次々に生じる。食用するには重曹や木灰でアク抜きする必要がるが、煮物、御浸し、和え物、混ぜご飯などにして食べるとおいしい。また、塩漬けにすれば保存がきくため、かつては飢饉に備えて蓄えられたが、ワラビにはビタミンを破壊する酵素が含まれるため、多量の摂取は控えた方がよい。
・地下には直径1センチほどになる、黒くて太い根茎が横へ伸びる。この根茎には多くのデンプンが含まれており、秋に採取したものは食用となる。ワラビ餅やワラビ飴は根茎から採取した粉を練り固めて煮たもの。また、このデンプンは糊にもなり、かつては和傘や提灯作りに使われた。
・ワラビは薬用にもなり、乾燥させた全草を刻んで煎じ、利尿や腫物の治療に使った。
【ワラビに似た植物】
・ウラジロ
・ジュウモンジシダ
ワラビの基本データ
【分 類】コバノイシカグマ科/ワラビ属
シダ植物
【漢 字】蕨(わらび)
【別 名】サワラビ/ワラベ
ハシワラビ/ヨメノサイ
イワガネソウ(岩根草)
ヤマネグサ(山根草)
【学 名】Pteridium aquilinum
【英 名】Western bracken fern
【開花期】(花は咲かない)
【花の色】─
【草 丈】~100cm