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リュウノウギク/りゅうのうぎく/竜脳菊
Ryunou-giku
【リュウノウギクとは】
・宮城~新潟以西の本州、四国及び宮崎県に分布するキク科の多年草。いわゆるノギクを代表する日本の在来種であり、低山の道端、崖地、草地など明るい場所に群生する。
・花は直径3~5センチほどで、多数の小さな舌状花と筒状花からなる。花弁のようなものが舌状花で、始めは白いが、秋が深まるとほのかにピンク色を帯びる。中央の黄色い部分が筒状花の集りで、花の後には乾いた実ができる。
・葉は三つに裂けるが切れ込みは浅く、基部はクサビ形。縁には細かなギザギザがある。表面は濃緑色だが裏面は白い毛が丁字に並んでおり、白っぽく見える。
・春から秋に採取した若芽と葉や花は、天婦羅や甘酢漬けなどにして食べることができる。また、民間療法では陰干しした葉を袋に詰めて風呂に入れると、精油成分によって冷え症や痔に効果があるとされ、生の葉の汁は霜焼け、あかぎれ、虫刺されに効くという。
・茎にも白い毛が密生し、上部でまばらに枝分かれするが全体に柔らかであり、普通は垂れ下がるように育つ。葉を揉んだり、茎を折ったりするとキクに特有の強い香りを生じるが、この香りが香木の竜脳樹から採取される精油「龍脳」に似るため、リュウノウギクと名付けられた。
・本物の龍脳は熱帯アジアに分布するフタバガキ科のリュウノウジュの樹液を固めた結晶で、クスノキの樟脳を柔らかくした刺激臭がある。
【リュウノウギクの品種】
黄色い花が咲く品種。花を蒸留して作る精油は「薩摩の精油」となり、薩摩藩はこれを秘薬とした。
リュウノウギクの基本データ
【分 類】キク科/キク属
多年草
【漢 字】竜脳菊(りゅうのうぎく)
【別 名】ノギク/ヤマギク/コギク
【学 名】Chrysanthemum makinoi
【英 名】─
【開花期】10~11月
【花の色】白~淡いピンク
【草 丈】~80cm