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ユキワリイチゲ/ゆきわりいちげ/雪割一華
Yukiwari-ichige
【ユキワリイチゲとは】
・近畿地方以西の本州、四国及び九州に分布するキンポウゲ科の多年草。山裾の林、竹藪、谷川沿いなどに生え、春に薄い紫を帯びた白色の花を咲かせる。横に広がる根茎によって地面を覆うように群生するが、地域によっては絶滅が危惧されている。
・漢字表記は「雪割一華(一花)」であり、雪を割って一輪の花が咲くという意味合いだが、実際はあまり雪の降らない地域に多い。草の仲間だが、秋に出た葉が越冬するため、雪の中で既に芽が出ていることを菜の由来とする説もある。
・ユキワリイチゲの開花は3~4月。茎葉の中心から出た花柄の先に直径3~4センチの花が1輪だけ上向きに咲く。花弁のように見える線状の楕円は萼が変化したもので10~20枚あり、その中心には長短ある多数の雄しべと雌しべがある。
・葉は株元から生じる根生葉と、茎から生じる茎葉がある。根生葉はミツバのような3出複葉と呼ばれるタイプで長い柄があり、小葉は三角形に近い卵形で縁にギザギザがある。濃緑色の表面には白い斑点模様が、裏面は紫褐色を帯びた特徴的な色合いとなり、乾燥や風でめくれ上がると人目を惹く。茎葉は柄がなく、3枚が同じ場所から生じる。
・地下にある根茎も紫がかった褐色。丈夫な多肉質で横に這いながらヒゲ根を生じる。開花前年の初冬には根茎から根生葉が生じ、そのまま枯れずに越冬する。
【ユキワリイチゲに似た草花】
・アズマイチゲ
・ハクサンイチゲ
・ヒメイチゲ
・エゾイチゲ
・ユキワリソウ(スハマソウ)
・ミスミソウ
・キクザキイチゲ(キクザキイチリンソウ)
北海道~関西地方に見られる近縁種。キクに似た花が一輪だけ咲くためキクザキイチゲ(菊咲一華)と呼ばれる。花は本種によく似るは、葉は2回3出複葉と呼ばれるタイプで、本種とは異なる。
ユキワリイチゲの基本データ
【分 類】キンポウゲ科
イチリンソウ属
多年草
【漢 字】雪割一華/雪割一花
(ゆきわりいちげ)
【別 名】ルリイチゲ/ウラベニソウ
【学 名】Anemone keiskeana
【英 名】─
【開花期】3~4月
【花の色】白~淡い紫色
【草 丈】~20cm