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ユウガギク/ゆうがぎく/柚香菊
Yuga-giku(Aster iinumae)
【ユウガギクとは】
・東北~近畿地方に分布するキク科の多年草。山野の草地、林縁や道端、土手などで普通に見られる代表的な野菊の一つであり、秋の草地で目にすることが多い。日本固有の在来種。
・ユウガギクというわりに全体が間延びしてだらしない印象を受けるが、ユウガは「優雅」ではなく「柚香」。ユズの香りがあるキクという意味だが、実際のところそんな香りはほぼない。
・ユウガギクの開花は7~10月で、茎の上部に細長い枝を四方に広げ、直径2~3センチの花を枝先に咲かせる。花は花弁のように周辺を彩る舌状花と、中央部に集まる筒状花からなる小花の集合体。
・舌状花はほぼ真っ白でヨメナに似るが、色味はより淡く やや青紫色を帯びる。花は天婦羅にして食べることができ、焼酎に漬け込んで作る花酒を飲めば、疲労回復や滋養強壮に効果があるとされる。花の後にできる果実に綿毛(冠毛)がないのも本種の特徴であり、ヨメナとの共通点となる。
・葉は長さ7~8センチ、幅3~4センチの長楕円形で、ヨメナやノコンギクよりも質が薄い。葉の形は個体や環境によって変化が大きいが先端は尖り、茎の下半分の葉は全て羽状に裂ける。葉の基部はクサビ形で葉柄はない。
・新芽や若葉もヨメナと同じように食用となり、シュンギクのような味がある。葉を揉むとユズのような香りがあり、葉を水に浸けて揉むとシャボンのように泡立つ。
・草丈は40~150センチほどになるが、枝分かれが多く、風雨によって倒れかけ、他の野草に覆いかぶさっていることもある。茎は細く、表面に曲がった短い毛があり、手で触れると多少ザラつく。
・地下にある根茎は長く四方に伸びて新たな株を作る。
【ユウガギクに似た植物】
・ヨメナ
ユウガギクの基本データ
【分 類】キク科/シオン属
多年草
【漢 字】柚香菊(ゆうがぎく)
【別 名】シャボンギク
【学 名】Aster iinumae
【英 名】─
【開花期】7~10月
【花の色】白~淡い青紫色
【草 丈】~150cm