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ヤマトリカブト/やまとりかぶと/山鳥兜

Japanese Monkshood

はなことば,とりかぶと
花言葉は「騎士道」「忠誠心」など
芽出し,見分け
ヤマトリカブトの新芽
よもぎ,見分け方
よく似るヨモギやモミジガサと見分けないと危ない
ヤマトリカブトの葉
全草に毒性があるが、根生する若葉と根は特に危険
鳥兜の見分け方
成葉の様子
とりかぶと,毒
葉の裏面
つぼみ,ツボミ
でき始めの蕾
ツボミ,蕾
蕾の様子
鳥兜の開花期
ヤマトリカブトの開花は8~10月
トリカブト,種類
花は青紫の苞に隠れ、3個の雌しべと多数の雄しべがある
Monk's-hood/Aconite
横から見ると、よりカブトっぽい
山鳥兜,特徴
草丈は1m前後
Monk's-hood/Aconite,flower
果実の様子
山鳥兜,特徴
ヤマトリカブトの茎

 

【ヤマトリカブトとは】

・東北地方~中部地方に分布するキンポウゲ科の多年草。トリカブトの仲間は北半球の温帯に広く分布し、日本には約40種が自生するが、本種は山地の林縁や日当たりのよい草地などで最も普通に見られるトリカブトであり、単にトリカブトという場合は本種を示す。

 

・夏から秋にかけて咲く紫の花は、他に類を見ない形状であり、観賞を目的として切花用にも栽培される。しかし、全草に猛毒のアルカロイド物質(アコニチン)を含み、誤飲すれば嘔吐、下痢、痙攣、呼吸不全、心臓発作などの症状を引き起こし、摂取量によっては死を招く。ドクウツギドクゼリと共に日本三大有毒植物とされる。

 

・トリカブトという名前は、花の形が鳥兜(舞楽の演奏者である伶人が着用する兜)に似ることに由来する。別名はカブトバナ、ヤマカブト、エボシバナ、カブトギク、ブシ、ウズ(烏頭)など。

 

・花は長さ4センチ前後で 枝垂れた茎の先端や葉の脇に集まって咲く。目を惹く青紫のものは花弁ではなく「苞」と呼ばれる器官で、花粉を媒介するハナバチなどの昆虫が首尾よく蜜を吸うのを手伝う。本当の花は上部にある烏帽子のような萼片の中に隠れて立っている。トリカブトの見分けは難しいが、ヤマトリカブトは雄しべに多数の毛があり、花の外面と柄にも曲がった毛を生じるのが特徴。雄しべは40本ほどあるが、2~3本単位で直立して花粉を出す。

 

・花の後にできる果実は縦長の袋状。3個単位で上向きにできる。先端は雌しべ(柱頭)の跡が突起状に残るが、熟すと三つに裂けて多数の種子を風によって拡散させる。

 

・茎は細くて直立せず、弓なりに曲がって草丈30~150センチほどになる。葉は手のひら状で3~5つに深く裂け、それぞれの裂片には不規則な切れ込みがある。表面には光沢があり、質は薄くてちぎれやすいが、茎葉から生じる汁液にも毒性があるため、取扱いには注意する必要がある。

 

・根は地中にまっすぐ伸び、円錐状に膨れる。根は毒性が最も高く、かつては熊狩りの毒矢に使ったほどだが、乾燥させたものを鎮痛剤として、顔面神経痛やリウマチの治療に使う。漢方では乾燥させた茎葉を「草烏頭(そううづ)」、根茎を「附子(ぶし)」と呼ぶ。

 

【トリカブトの品種】

 エゾトリカブト オクトリカブト

 ツクバトリカブト ハコネトリカブト

 ホソバトリカブト レイジンソウ

 ウンナントリカブト

おくとりかぶと
オクトリカブト
筑波とりかぶと
ツクバトリカブト
みやまとりかぶと,草
ミヤマトリカブト
あずまれいじんそう
アズマレイジンソウ
うんなんとりかぶと
ウンナントリカブト

 

【ヤマトリカブトに似た草花】

 ニリンソウ モミジガサ 

 ゲンノショウコ ヨモギ

 

 いずれも同じような場所に生え、新葉が似るため誤食に注意する必要がある。

似ている葉
ニリンソウの葉
見分け方
モミジガサの葉
山鳥兜に似ている草
ゲンノショウコの葉
似ている
ヨモギの新葉

ヤマトリカブトの基本データ

 

【分 類】キンポウゲ科/トリカブト属

     多年草

【漢 字】山鳥兜(やまとりかぶと)

【別 名】トリカブト/カブトバナ

     ヤマカブト/エボシバナ

     カブトギク/ブシ/ウズ(烏頭)

【学 名】Aconitum japonicum

【英 名】Japanese Monkshood

【開花期】8~10月

【花の色】青紫色

【草 丈】~150cm

 

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