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ムラサキツメクサ/むらさきつめくさ
Red clover
【ムラサキツメクサとは】
・ヨーロッパを原産とするマメ科シャジクソウ属の多年草。紅紫の花が咲くクローバーだが、白い花が咲くシロツメクサとの対比からか一般的にはアカツメクサと呼ばれることが多い。別名はハナゲンゲ、漢字表記は「赤詰草」のほかに「赤漆姑草」がある。
・シロツメクサ同様いわゆる帰化植物の一つであり、明治初期に牧草として渡来し、後に野生化して日本各地に広まった。日当たりがよく、やや湿った場所を好み、当初はシロツメクサよりも標高の高い場所に多かったが、今では平地の道端、公園、草地でも普通に見られる。
・葉は細長い楕円形の小葉が3枚集まってできる。両面に毛が生え、表面には「V」字の白斑が入ることが多い。茎はシロツメクサに比べると直立しやすく、開出毛と呼ばれる細かな毛を生じる。
・開花は4~9月。茎の頂部にある葉の脇に直径3~6センチほどの球あるいは円筒状の花序(小花の集り)ができる。花柄が短く、花のすぐ下に一対の葉があるため、花が葉の上に乗っているように見えるのが大きな特徴。
・花を構成する筒状のものは萼で、先端は細かに裂ける。花は受粉すると茶変するが、シロツメクサのように垂れ下がることなく、そのままの状態でしばらく残る。
・ムラサキツメクサの茎葉はシロツメクサと同様、モンキチョウ(蝶)の食草だが、茹でて食べることができる。また、タンニン、樹脂、脂肪、クエルセチンなどを含む花穂は薬用となり、乾燥させた蕾を煎じて飲めば咳や痰が鎮まるとするヨーロッパの民間療法がある。
【ムラサキツメクサの品種】
・シロバナノアカツメクサ(セッカツメクサ)
白い花が咲く品種。シロツメクサと紛らわしいが、これも花序の直下に葉があり、葉の両面に毛を生じる。
【シロツメクサとムラサキツメクサの見分け方】
・シロツメクサは茎葉に毛がないが、ムラサキツメクサには細かな毛があるため、花がない時季でも見分けることができる。また、シロツメクサの葉の模様は八の字だが、ムラサキツメクサはより鋭角なⅤ字になる。ただし葉の模様には個体差があって難しい。
【ムラサキツメクサに似た草花】
・カタバミ
・レンゲ
ムラサキツメクサの基本データ
【分 類】マメ科/シャジクソウ属
多年草
【漢 字】紫詰草(むらさきつめくさ)
【別 名】アカツメクサ/ハナゲンゲ
【学 名】Trifolium pratense
【英 名】Red clover
【開花期】4~9月
【花の色】紅紫色
【草 丈】~50cm