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ミョウガ/みょうが/茗荷
Japanese gingers
【ミョウガとは】
・本州、四国、九州及び沖縄に分布するショウガ科の多年草。原産地は中国の東南部及び熱帯アジアだが、奈良時代以前に渡来したものが野生化し、山野の木陰などに育つ。
・ミョウガは株全体に「αピネン」などの精油を含み、香味野菜として畑でも栽培される。食用になるのは春先に採取した若い茎と、夏から秋に生じる花茎で前者を「茗荷竹」、後者を「茗荷の子」と呼ぶ。特有の芳香と辛味があり、消化促進に効果があるとされる。
・葉は長さ30センチほどの長楕円形で両端が尖る。短い柄があり、二列になって互い違いに茎から生じるように見えるが、茎は葉柄が折り重なって茎のようになった「偽茎」であり、本来の茎ではない。
・ミョウガの開花は8~10月。偽茎とは別に伸びた地下茎の先端に、淡いクリーム色の花が数輪ずつ咲く。雌雄同株で「鱗片葉」に覆われた楕円形の花序に両性花を咲かせるが、雌しべは下方にあって見えにくい。果実ができるのは非常に稀で、繁殖は株分けによる。
・地下にある白い根茎は、細い多肉質の円柱状で多数の節があり、横に広がって群落を作る。民間療法では根茎や花茎の煎汁を凍傷の痒み止めに用いた。
・ミョウガを食べると物忘れがひどくなるという俗信があるが、これは「茗荷宿」という落語に由来する迷信。逆に香味によって集中力が増す働きがあるとされる。生のまま千切りにして麺類の薬味や汁の具材、酢の物、天婦羅にして食べるが、原産地を含め他国での食用は例がないため、英語ではJapanese gingersと称する。
・ミョウガという名は、古名の「めが」が転訛したものだが、ミョウガという音が幸運を意味する「冥加(みょうが)」に通じるとして、家紋に使われることもある。また、「茗荷」という漢字は 自分の名前を覚えられない弟子に、釈迦が名札をかけてやった(名を荷う)ことにちなむ。
【ミョウガに似た植物】
・ハナミョウガ
関東地方以西の本州、四国及び九州に分布するハナミョウガ属の多年草。開花は5~6月で、紅白の花が立ち上がって咲き、花後に赤い実ができる。
ミョウガの基本データ
【分 類】ショウガ科/ショウガ属
多年草
【漢 字】茗荷(みょうが)
【別 名】ミョウガダケ
ドンコンソウ(鈍根草)
ワスレグサ(忘れ草)
オコナ/バカ
【学 名】Zingiber mioga
【英 名】Japanese gingers
Myouga gingers
【開花期】8~10月
【花の色】クリーム色
【草 丈】~100cm