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ミヤコグサ/みやこぐさ/都草
Lotus vine flower
【ミヤコグサとは】
・北海道から沖縄まで日本各地に分布するマメ科ミヤコグサ科の多年草。日当たりのよい乾いた場所を好み、山地の草地や平地の道端、海岸などで普通に見られる。小さくて育てやすいことなどから、花の観賞あるいはマメ科のモデル植物として栽培されることも多い。
・ミヤコグサという名前の由来には、江戸期の文献「大和本草」において本種が京都の耳塚付近に多いと記されたことによるという説、薬草名の「脈根草(みゃくこんそう)」が「みやこぐさ」に転訛したとする説がある。別名はエボシグサ(烏帽子草)、コガネバナ(黄金花)、キレンゲ(黄蓮華)、サツキバナ、キツネノエンドウなど。
・開花は春~秋で、葉の脇から伸びた長い花茎の先に、蝶形をした鮮やかな黄色い花を1~3輪ずつ咲かせる。花の直径は1.5センチほどで「竜骨弁」と呼ばれる下部の花弁は合着して筒状になり、花の基部にある3つの苞は小葉と同じようになる。
・花の後にできる豆果は長さ2~4センチほどの線形。熟すとサヤが捻じれて開裂し、直径1.5ミリほどの黒い種子を遠方へ飛ばして繁殖する。ミヤコグサは開花期間が長く、次々に咲き続けるため、花と果実(豆果)を同時に観察することができる。
・葉は濃緑色で、クローバーやカタバミに似た雰囲気を持つ。長さ7~15mmの楕円形の小葉が3枚集まってできているが、葉の付け根にある托葉も葉と同じような感じになるため、葉の構成は分かりにくい。クローバーやコマツナギと同様にモンキチョウ(蝶)の食草となる。
・茎は多数が集まって地を這うように横へ伸びる。丈夫な性質を持ち、先端は斜めに立ち上がるように育つ。春に採取した開花前の若い苗は油炒めなどにして食べることができる。
【ミヤコグサに似た草花】
・ニシキミヤコグサ
咲き始めの花は黄色だが、後に赤くなる品種。関東、関西及び九州に自生する。
・アマミエボシグサ
南西諸島の海岸地帯に見られる品種で、白い花を咲かせる。
・セイヨウミヤコグサ
ヨーロッパを原産とするミヤコグサの仲間。園芸用に輸入されたものが野生化した帰化植物で、ミヤコグサよりも花数が多く、草丈はより高くなる。茎葉や萼に毛があるのがミヤコグサとの見分けのポイント。クレオパトラがこの花を愛したという逸話があり、中国では「百脈根」と呼び、根を生薬に用いる。
ミヤコグサの基本データ
【分 類】マメ科/ミヤコグサ属
多年草
【漢 字】都草(みやこぐさ)
【別 名】エボシグサ(烏帽子草)
エボシバナ(烏帽子花)
コガネバナ(黄金花)
キレンゲ(黄蓮華)
サツキバナ/キツネノエンドウ
【学 名】Lotus japonicus
【英 名】Lotus vine flower
【開花期】4~10月
【花の色】黄色
【草 丈】~30cm