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ミセバヤ/みせばや/見せばや
October daphne
【ミセバヤとは】
・本州の中部以北を原産とするベンケイソウ科の多年草。花の美しさから園芸用に普及し、人家近くの石垣などに野生化したものが見られるが、現在の自生地は小豆島や奈良県の一部地域のみであり、絶滅が危惧されている。
・葉は長さ10~25ミリで、横幅の広い歪んだ卵形~扇形。いわゆる多肉植物だが耐寒性があり、屋外のロックガーデンや石垣、鉢植え、盆栽などに使われる。茎から3枚ずつ生じる葉は折り重なるように密生。表面は灰色がかった緑色で、上半分の縁には細かなギザギザがある。
・茎は基部で分岐して株立ち状になり、弓なりに垂れ下がりながら長さ15~30センチほどになる。株は全体が白粉で覆われたように見えるが、茎はやや紅色を帯びることもある。
・ミセバヤの開花は10~11月。茎先に淡い紅色をした小花が球状に固まって咲く。花弁と萼は5枚で雄しべは10個。子房も5個で上部は花柱になって尖る。ミセバヤという名前は、この美しい花を誰に見せようか、という意味合い。
・葉は晩秋になると淡い紅色に色付き、緑の葉とのコントラストが美しい。寒さが増すと葉は枯れ落ち、株元にある冬芽が目立つようになる。
【ミセバヤの品種】
・ヒダカミセバヤ
北海道東部(日高、釧路、十勝)に自生する小型の品種。葉は2枚が対になる対生(ミセバヤは3輪生)で、短い茎の先に紅紫の花を咲かせる。
ミセバヤの基本データ
【分 類】ベンケイソウ科
ムラサキベンケイソウ属
多年草
【漢 字】見せばや
【別 名】イキクサ(伊岐久佐)
タマノオ(玉の緒)
【学 名】Hylotelephium sieboldii
【英 名】October daphne
【開花期】10~11月
【花の色】淡い紅色
【草 丈】~30cm