ミスミソウ/みすみそう/三角草
Liver leaf
【ミスミソウとは】
・中部以西の本州と九州北部に分布するキンポウゲ科の多年草。山地の落葉樹林内に自生し、葉が三角形になることから三角草(みすみそう)と呼ばれる。
・残雪のある時季に開花するため別名をユキワリソウ(雪割草)といい、園芸品としては本種がユキワリソウで通っているが、本来のユキワリソウはサクラソウ科の高山植物であり、本種とは異なる。
・ミスミソウの開花は2~4月で、古い葉の間から伸びた花茎の先端に白あるいは淡い紫色の花を一輪ずつ咲かせる。晴天時は大きく花開くが、曇天時は半開のまま。
・花の直径は1~1.5センチほどで花弁はなく、花弁のような萼片が6~9枚ある。多数ある雄しべは長さ2.5~4ミリほどで、中央にある雌しべには毛が生える。花が終わると長さ3ミリほどの果実ができる。
・ミスミソウは地域や個体によって変異が大きく、太平洋側のミスミソウは白花、日本海側はピンク、紫など変化に富むとされる。また、萼片の形、大きさ、毛の程度、数にも変異があり、こうした性質を利用して江戸時代から多くの品種が作出されてきた。
・葉は直径2~5センチで中ほどまで切れ込みが入って三つに裂け、それぞれの先端は尖る。葉は冬でも枯れずに越冬する二年生だが、晩秋以降は汚れたような緑色となり、斑点模様が入ることもある。
・ミスミソウの葉は全て株元の地下茎から生じる根生葉。地下茎は細長くて節が多く、ヒゲ根を生じる。
【ミスミソウの品種】
・スハマソウ
本州の太平洋側に見られる多年草で性質はミスミソウとほぼ同じだが、葉の縁は尖らずに丸みを帯びる。葉の形を海岸に突き出た州浜あるいは、祝いの席に飾る島台(しまだい)の州浜になぞらえて州浜草(すはまそう)となった。花は白く、これもユキワリソウと呼ばれる。葉の両面に毛のある「ケスハマソウ」もある。
・オオミスミソウ
名前のとおり全体的に大形で、葉は直径5~10センチ、花びらのような萼片は8~10センチになる。本州の日本海側に分布し、花色は白、ピンクのほか、紫、藍色がある。
【ミスミソウに似た植物】
・ユキワリソウ
サクラソウ科の多年草で、西日本を中心とした高山の湿原に自生。これが本家のユキワリソウだが、ユキワリソウとして流通しているのはミスミソウであることが多い。
早春に白い花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。花は白色で、これにもユキワリソウという別名がある。
ミスミソウの基本データ
【分 類】キンポウゲ科/ミスミソウ属
多年草
【漢 字】三角草(みすみそう)
【別 名】雪割草(ゆきわりそう)
【学 名】Hepatica nobilis
【英 名】Liver leaf
【開花期】2~4月
【花の色】白、淡い紫色
【草 丈】~10cm