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セントウソウ/せんとうそう/仙洞草
Sentou-sou
【セントウソウとは】
・北海道~九州に分布するセリ科セントウソウ属の多年草。山野の林内や林縁などに自生する日本の固有種で、湿った木陰に群生することが多い。
・セントウソウの漢字表記は「戦闘草」ではなく「仙洞草」。「仙洞」は仙人の住む場所を意味するが、名前の由来は不明。本種が京都の仙洞御所に生えていたという説、春早くに咲くため他の草花に先駆けて「先頭」で咲くことによるという俗説がある。
・葉はほぼ全て株元から伸びる根生葉で、小さな葉が複数集まって羽根状になる。小葉は楕円形で縁に粗いギザギザがあるが、形にはバリエーションがあって、変種や別種扱いにすることもある。
・全体の雰囲気はセリに似るが柔らかで、葉の様子がセリバオウレンに似るとして、オウレンダマシという別名がある。葉や茎は無毛でやや艶があり、やや紫色を帯びた茎の基部はサヤ状になる。話題になることは少ないが、若い茎葉は天婦羅や御浸しにして食べることができる。
・セントウソウの開花は春で、葉の間から伸びた10センチほどの細い花茎に、直径3~5ミリほどの花が5~10輪ほど集まって咲く。5枚ある白い花弁は内側へやや反り返り、花の中央からは2本の花柱と5本の雄しべが突き出す。
・花の後にできる果実は直径3ミリほどの楕円形で、その頂部には花柱2本の名残がある。実が熟すのは5月頃で、黒褐色になって自然に落下する。
【セントウソウに似た植物】
・セリ
・センニンソウ(名前が似るだけ)
・セリバオウレン
セリの基本データ
【分 類】セリ科/セントウソウ属
多年草
【漢 字】仙洞草(せんとうそう)
竹菜
【別 名】オウレンダマシ
【学 名】Chamaele decumbens
【英 名】─
【開花期】3~5月
【花の色】白
【草 丈】~35cm