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セツブンソウ/せつぶんそう/節分草
Winter aconite
【セツブンソウとは】
・関東地方~中部地方に分布するキンポウゲ科の多年草。日本の在来種で、アルカリ性の土壌を好み、石灰岩地帯の山間で稀に見られる。自生品は激減しているが園芸用に流通し、春の訪れをいち早く知らせる。
・セツブンソウの開花は2~3月で、旧暦の節分にあたるため、節分草と名付けられた。長さ5~15センチの花茎に、直径2センチほどの花を一輪ずつ咲かせる。
・花弁のように見えるのは、卵形の白い萼片で5枚あり、本当の花は画像の黄色い部分。画像では分かりにくいが、先端がYの字になったシベ状で、Y字の分岐点近くには蜜を出す「蜜腺」がある。
・花の後にできる果実は、長さ1センチほどの楕円形。先端の尖った袋状だが、3~4個が合体しており、中には褐色をした円形の種子を含む。果実が熟し終えると、茎や葉は枯れ落ち、初夏になるまでは地上に何も見えなくなるが、地下には直径1~2センチの球形の根茎がある。
・葉は、株元から出る根生葉と、茎から出る茎葉がある。茎葉は線形で花の下にあり、三つに裂けた2枚の葉が対になって生じる。根生葉の外形は五角形で深く三つに裂け、それぞれの裂片はさらに細かく分かれる。学名にあるpinnatifidaは、羽根のように裂けているという意味で、この葉の形に由来する。
【セツブンソウに似た植物】
・オウレン(キクザキオウレン)
根が胃薬になることで知られるキンポウゲ科の常緑多年草。セツブンソウと同じように草丈が低く、白い花を咲かせる。開花は3~5月でセツブンソウよりも遅い。
福島県以南の亜高山帯に分布するオウレンの一種。セツブンソウよりもやや早い時期に白い花を咲かせる。
黄色い花を咲かせて正月祝に使われる近縁種。セツブンソウと同じように開花期に突然現れ、花が終わると地上から消え去るように見える。
セツブンソウの基本データ
【分 類】キンポウゲ科/セツブンソウ属
多年草
【漢 字】節分草(せつぶんそう)
【別 名】イエニレ
【学 名】Eranthis pinnatifida
【英 名】Winter aconite
【開花期】2~3月
【花の色】白
【草 丈】~20cm