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スベリヒユ/すべりひゆ/滑り莧
Purslane
【スベリヒユとは】
・北海道から沖縄まで日本各地に分布するスベリヒユ科の一年草。日当たりのよい場所を好み、日本以外でも温帯~熱帯の各国に自生する。野原、田畑の畔、住宅地の路傍などで普通に見られるが、古くから食用になることで知られる。
・食用するのは花が咲く前の若い茎や葉で、重曹などでアク抜きしたものをゼンマイのように利用する。酸味と特有のヌメリがあって美味しく、御浸し、油炒め、和え物などにして食べられる。
・スベリヒユという名は、滑り気のある食感によるもの。また、ヒユはホウレンソウ(ヒユ科)のように葉や茎を食用する植物という意味合いで使われる。
・いわゆる救荒植物の一つであり、かつては飢饉に備え、茹でたスベリヒユを乾燥させ、保存食としていた。ただし、食べ過ぎると下痢等の症状を引き起こすという。
・葉は肉厚な長楕円形で、長さは1.5~2.5ミリほど。表面はツヤツヤしており、やや紫色を帯びる。葉に柄はなく、茎から対になって生じるが、多くは先端に集まる。
・茎は多肉質で多数に分岐し、地を這うように四方へ広がり、その先端は斜上する。日照りが続くような酷暑にも耐えて育つ丈夫な性質にあやかり、かつては祝い事のある際にスベリヒユを縁起物として軒先に吊るした。
・スベリヒユの開花は夏。茎先にある葉の中心に、直径6~8ミリの小さな黄色い花を次々に咲いていくが、朝開いて昼に閉じる性質を持つ。花にも柄がなく、5枚ある花弁は先端がくぼむ。
・花の後にできる果実は熟すと横に裂け、上部にある帽子のようなフタが外れ、中から砂のように細かな黒い種子がこぼれ落ちる。
・スベリヒユは薬草としても知られ、乾燥させた葉を水で煎じて飲めば利尿効果が、生の葉の汁を虫刺されに塗ると痒みを鎮める効果がある。
【スベリヒユの品種】
・タチスベリヒユ
ヨーロッパや中国で食用に栽培される品種。茎は直立し、葉はスベリヒユよりも大きい。「パースレイン」などの流通名がある。
【スベリヒユに似た植物】
・マツバボタン
スベリヒユの基本データ
【分 類】スベリヒユ科/スベリヒユ属
多年草
【漢 字】滑り莧(すべりひゆ)
【別 名】ヨッパライグサ/ウマビユ
サケノンベグサ/イヌヒュウ
ゴンベエグサ/トンボグサ
ズンベラビュウ/イハイズル
ヒュウナ/ヌメリクサ
ヒデリグサ
【学 名】Portulaca oleracea
【英 名】Purslane
【開花期】7~9月
【花の色】黄色
【草 丈】~20cm