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シマカンギク/しまかんぎく/島寒菊
Indian chrysanthemum
【シマカンギクとは】
・近畿地方以西の本州、四国及び九州に分布するキク科の多年草。日本に自生する野菊の一種で、名前にはシマがつくものの島育ちではなく、日当たりのよい山野に自生する。
・学名にはインドを意味するindicumが含まれるが、これは発見者のリンネがインド原産と誤解したもの。日本以外では中国、朝鮮半島及び台湾に見られ、インドには自生しない。
・シマカンギクは観賞用に広く普及しているキク(イエギク)の原種(親)の一つであり(諸説有)、四国に見られるイヨアブラギク、ツルギカンギクや山陰地方に見られるサンインギクの基本種でもある。
・シマカンギクの開花は名前のとおり10~12月で、一般的なキクより遅い。花は中央に密集する筒状花と、その縁を一周する20個ほどの舌状花からなる。筒状花の方がより濃い黄色で、裏側にある総苞片は半球状で4列に並ぶ。
・生薬の「菊花(きくか)」はイエギク及びシマカンギクの花を乾燥させたもので、抗菌、解熱、鎮痛などの効能があるという。また、シマカンギクの花は油漬けにして傷薬に使ったため、別名をアブラギクという。
・シマカンギクの葉は中程まで五つに裂けた羽根状。縁には細かなギザギザがあり、両面に微毛を生じる。茎は長さ25~100センチで地を這うように倒れたり、崖地で垂れ下がったりしやすいが、直立すれば草丈80センチほどになる。若いうちは白い毛があって柔らかだが、古くなると木質化する。
【ハマカンギクの品種】
・シロバナハマカンギク
舌状花が白くなる変種。
シマカンギクの基本データ
【分 類】キク科/キク属
多年草
【漢 字】島寒菊しまかんぎく)
【別 名】アブラギク(油菊)
【学 名】Chrysanthemum indicum
【英 名】Indian chrysanthemum
【開花期】10~12月
【花の色】黄色~白
【草 丈】~80cm