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シオデ/しおで/牛尾菜
Shiode
【シオデとは】
・本州及び四国の各地に分布するサルトリイバラ科の多年草。日当たりのよい山道、林縁、土手などに見られるが、若菜は山菜となり、その味わいから「山のグリーンアスパラガス」として好まれる。
・シオデという名の由来は不詳だが、アイヌ語の「シュウォンテ」が転訛したものとする説がある。
・シオデの開花は夏(6~8月)で、葉の脇から伸びる長い花茎に、淡い緑色の花を15~30輪ほど咲かせる。雌雄異株だが雌花、雄花ともに6枚ある花被片(花弁と萼)は反り返る。雌株には水分を含む球形の果実ができ、秋になるとやや青みのある黒に熟す。
・葉は卵形で先端が尖り、縁にギザギザはない。葉には葉脈から連なる細い巻きヒゲがあり、これを他物に絡めながら育つ。巻きヒゲは托葉が変化したもの。茎(蔓)は緑色で浅い稜(角)があるため触れるとザラつくが、サルトリイバラのようなトゲはない。
・食用するのは葉が開く前の5~6月に摘んだ柔らかな若芽や茎。エンピツくらいの太さがあるがクセがなく、生のままでサラダとして食べることができるが、天婦羅、バター炒め、マヨネーズ和え、御浸し、酢の物、漬物、胡麻和えなどにして利用するのが一般的。
【シオデに似た植物】
・タチシオデ
名前のとおり茎が立ち上がる近縁種。葉の裏が淡い黄緑色になるため、全体に白っぽく見える。葉脈に沿って短い毛があり、漢名は「白背牛尾菜」あるいは「長葉牛尾菜」。若芽はシオデよりも細く、より早くで始めるが、味はシオデと同じ。シオデより早く咲き、若芽の根元に蕾があるのがシオデとの見分けポイント。
・ヤマガシュウ
シオデの基本データ
【分 類】サルトリイバラ科/シオデ属
つる性多年草
【漢 字】牛尾菜(しおで)
【別 名】シオジ/ヒデコ/ソデコ
【学 名】Smilax Oldhami Mio.
【英 名】─
【開花期】5~6月
【花の色】黄緑色
【草 丈】~80cm