パパイヤ/ぱぱいや
Papaya/Pawpaw
【パパイヤとは】
・中南米を原産とするパパイヤ科の草本植物。熱帯地方では主要な果樹とされ、甘くて香りのよいジューシーな果実を食用するため、世界各地で栽培される。園芸上の正式名はパパイヤではなくパパイア。
・パパイヤが日本に紹介されたのは明治28年頃で、以後、小笠原諸島や南西諸島などの熱帯~亜熱帯で育てられてきたが、中には野生化して野山に自生するものもある。
・葉はヤツデをスリムにしたような掌状で、大きく5~9つに裂け、各裂片にはさらに細かな切れ込みが入って羽根状になる。長さは最大70センチほどで、幹(茎)の頂部付近から螺旋状になって互い違いに生じる。
・葉の表面は濃緑色で艶があり、裏面は白っぽい。葉柄は明るい緑色で最長60センチほどに。葉をちぎると乳液が出てくる。
・花はクリーム色~緑白色の蝋質で長さ2センチほど。長い葉柄の付け根で幹(茎)から直接咲いているように見える。パパイヤは雌雄異株で、雄株に咲く雄花は細い房状になって複数咲き、雌株に咲く雌花は1~数個のみ。稀に雌雄同株もある。
・果実は長さ8~45センチの球形~長楕円形で、大きさや形には品種や個体による変化が大きい。でき始めの果皮は緑色だが、全体が完全に黄色く熟し、特有の芳香が漂えば食べ頃となる。野生状態ではヒヨドリ、メジロ、キツツキの仲間がこれを啄む。
・パパイヤの果実にはβカロチンやビタミンCなどの栄養素に加えて、消化を促進するタンパク質分解酵素のパパインが含まれており、美容や健康のための食品として注目される。ウサギなど小動物のおやつとしてパパイヤの樹皮が使われるのもこのため。
・パパイヤの実は、縦半分に割って中身をスプーンですくうという食べ方が簡単だが、サラダやゼリー、缶詰、ナラ漬、ケチャップなどの加工品もある。また、未熟な果実から抽出した乳液を乾燥粉末にしたものはサナダムシなどの条虫駆除剤やビールの清澄剤に使われる。
・幹(茎)は年々太くはなるが、いわゆる木のように堅くはならないため、バナナと同様に「木」ではなく「草」に分類される。従ってパパイヤの実は「果物」ではなく「野菜」(諸説あり)。茎は緑~薄い褐色で直立して分岐せず、表面には古い葉柄の跡が規則的に残る。
【パパイヤの育て方のポイント】
・熱帯性だが軽い霜には耐える。
・排水のよい壌土を好む。
・成長は早いが短命(20年ほど)で終わる。
【パパイヤに似た植物】
・ポポー
パパイヤの基本データ
【分類】 パパイヤ科/パパイヤ属
多年草(あるいは常緑小高木)
【学名】 Carica papaya
【英名】 Papaya/Pawpaw
【別名】 パパヤ/モククワ
チチウリ
【成長】 早い
【移植】 簡単
【高さ】 4~10m
【用途】 果樹
【値段】 1000円~