ニオイシュロラン/においしゅろらん
Cabbage tree
【ニオイシュロランとは】
・ニュージーランドを原産とするキジカクシ科センネンボク属の常緑小高木。明治初期に渡来し、芝庭や洋風庭園に利用される。花が香り、葉がランに、樹形がシュロに似ることからニオイシュロランと名付けられた。かつてはドラセナ属に分類されていたことから、近縁のアツバセンネンボクと共にドラセナと呼ばれていた。
・葉は剣状で、幹の頂部に多数が密生する。長さ40~60センチ、幅3~7センチで全体に光沢があり、先端は鋭く尖る。質は革質で、丈夫な繊維質を持ち、籠や袋の材料となる。ニオイシュロランの英名はCabbage tree=キャベツの木だが、放射状に生じる葉の様子による。
・一年中、変化がないように見えるが、5~6月に開花する。花は直径6~7ミリほどの白い小花で、葉の間から伸びた細い花茎に多数集まって咲く。高い位置に咲くため観賞しづらいが、小花は釣鐘型で、強い芳香がある。
・花の後には直径4ミリほどの球形の果実が大量にでき、開花翌年の10月頃になると青味を帯びた白色になる。果実にはゴマ粒ほどの種子が3~8個入っており、これを蒔けば増やすことができるが、成長が遅いため庭木として使えるようにするのは15年ほどかかる。
・幹は直立するが、樹齢を重ねると枝分かれするようになる。日本での樹高は5m前後だが、原産地では10mを越えて育つ。樹皮は灰白色で、幹の直径は30~150センチほど。根元の張りは比較的太く、多肉質の根茎に続く。学名にあるCordylineは「こん棒」を意味し、太い根茎に由来する。
【ニオイシュロランの育て方のポイント】
・ニュージーランド生まれであり耐寒性はやや低いものの、東北地方中南部以南であれば地植えできる。ただし、寒風の激しい場所では防寒対策が必要となる。
・日向であれば土質を選ばずに育ち、乾燥や湿気にも強いが、排水のよい肥沃な粘質土が望ましい。
・剪定や施肥などの手入れはほとんど必要ないが、古い葉が枯れ落ちずに残って見苦しくなるため、定期的に取り除いた方がよい。
・樹高が大きくなり過ぎた場合、幹の途中で切ることによって新たな芽を吹かせることができる。また、切り取った方の幹も挿し木に使うことができる。
【ニオイシュロランの品種】
・葉裏が紅色になるアトロプルプレアなど、ヴァリエガタと呼ばれるカラーリーフ品種や葉に模様の入る品種がある。
【ニオイシュロランに似ている木】
・アツバセンネンボク
ニュージーランドを原産とする近縁種だが、葉が長さ70~150センチ、幅13~15センチと大きい。また、ニオイシュロランには見られない主脈(葉の中心部を走る葉脈)が紅色になる。
ニオイシュロランの基本データ
【分類】キジカクシ科センネンボク属
(旧リュウゼツラン科)
【学名】Cordyline-australis
【別名】センネンボクラン/ドラセナ
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【用途】公園/緑地/街路樹
【値段】─