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カナリーヤシ/かなりーやし
Canary Island Date Palm
【カナリーヤシとは】
・大西洋に浮かぶカナリア諸島(スペイン領)を原産とするヤシ科の常緑樹。世界各地の暖地で公園、街路、海岸などに植栽され、熱帯以外でも育てられるヤシの木としては最も大きくなる。
・日本では属名の「フェニックス」で呼ばれることも多く、街路樹や観葉植物として親しまれる。宮崎県では「県の木」に指定されており、日南海岸の堀切峠にはフェニックスの並木がある。
・「フェニックス」はナツメヤシの古代ギリシャ名で、古代フェニキア人あるいはエジプトの神話に由来する。本種カナリーヤシは十種以上あるフェニックスの中でも特に耐寒性があり、多少の霜にも耐える丈夫な性質を持つ。
・葉は長さ5~50センチの小葉が100~200対集まって羽根状となり、幹から放射状に生じる。冬季やや色あせはするものの、一年を通じて濃緑色で質は硬く、先端は弧を描くように垂れ下がる。葉柄にV字状で、幹には古い葉柄の跡が波紋状に残る。
・カナリーヤシの開花は4~6月。長さ1~2mもある大形の肉穂花序に、黄金色の花が密生する。花を観賞するような植物ではないが、異国の雰囲気を演出するために、花茎や葉を花材として使うことがある。
・雌雄異株で、雌株には長さ2.5センチほどのナツメヤシに似た果実が多数、房状にぶら下がる。カナリーヤシの果実が熟すのは10~11月で、始めは緑色だが熟すにつれて紫~オレンジ色になる。
【カナリーヤシの育て方のポイント】
・北陸や山陰などの多雪地を除けば、関東以西の本州、四国、九州に植栽できる。ただし、地域によっては寒風や潮風などで葉先が傷む場合もある。
・土質を選ばず丈夫に育つが、大型かつエキゾチックであるため、一般家庭での利用はやや難しい。他の庭木との寄せ植えは馴染まず、本種のみを単独あるいは列植して観賞するのがよい。
・葉先が尖ってチクチクするため、特に樹高が低いうちは扱いに気を付ける必要がある。
【カナリーヤシに似ている植物】
・シンノウヤシ(親王椰子)
最もポピュラーなヤシの一つで、近縁はフェニックスロベレニーとも呼ばれることが多い。葉が柔らかでチクチクせず、本種より扱いやすい。
カナリーヤシの基本データ
【分類】ヤシ科/フェニクス属
常緑/小高木~高木
【学名】Phoenix canariensis
【別名】フェニックス
カナリーソテツジュロ
【成長】早い
【樹高】10~20m
【移植】困難(株分けは可能)
【用途】公園/並木/鉢植え
【値段】5,000円~