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カンチク/かんちく/寒竹
Kan-chiku
【カンチクとは】
・九州地方あるいは中国を原産とするササの仲間。紫を帯びた棹は艶があって美しく、古くから小庭の点景や垣根として東北地方南部以西に植栽される。
・小寒から大寒の間にあたる寒中(1月上旬から2月上旬)にタケノコが生じるとして寒竹と名付けられた。実際にタケノコが出るのは9月~11月で、そのまま越冬して翌春に皮を落として葉を開くが、稀に年内に葉を開く。日本にある竹では最もタケノコの発生が遅く、年末年始に葉のついたタケノコ状態になるため、正月花の定番とされる。
・タケノコの皮には褐色の縞模様があり、個体によっては蛇皮のようにも見える。タケノコとしては小さいが美味であり、食用としてもさかんに利用される。孟子が病床にある母のため冬のタケノコを掘ったという故事にちなんで、モウソウチクと呼ばれることもあったが、今日でいうモウソウチクとは別物。
・葉は小さめで、長さ6~15㎝、幅2センチほどになる。枝は各節から3~5本生じて密生するため、垣根に使った場合は目隠しになる。棹は細く、直立するが先端は緩やかに湾曲して垂れ下がる。
・節に毛はないが時折、短い棘のような気根を生じる。棹は最大で5mほどに育つが、庭に用いる場合は節止めして、背丈ほどの大きさで管理するのが無難。生育は日陰地が適しており、日照の強い場所では棹の美しさを損なう。
・成長はやや遅く、地下茎もさほど広範にならないため、古くから株立ちにして小さな庭に用いたり、列植して生垣にする例がある。棹の寿命は短く2年ほどで枯れるため、定期的に根元から剪定して小窓の装飾やインテリア、家具、袖垣、竹細工などに用いる。
【カンチクの品種】
・チゴカンチク
タケノコの成長後に皮をむいておくと、棹が赤みを帯びる品種。葉に白い模様の入るものもあり、観賞用に珍重される。別名はベニカンチク(紅寒竹)、シュチク(朱竹)。鉢植えとして出回ることが多い。
カンチクの基本データ
【分 類】イネ科/タケ亜科
カンチク属
【漢 字】寒竹(かんちく)
【別 名】ゴセチク
【学 名】Chimonobambusa marmorea
【英 名】Kan-chiku
【高 さ】2~5m
【直 径】2~3cm
【節間長】7~14cm