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街路樹になる木

街路樹は最も身近な木ですが、木の名前を知っている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。このページではランキングの上位に入るような代表的な樹種を紹介します。

 

近年は多様な樹種が使われるようになりましたが、街路樹に使われる木には以下のような特徴があります。

 

・大気汚染や踏圧(人の往来)に強いこと

・乾燥や夏の暑さに強いこと

・樹齢が長いこと

・病気や害虫に対する抵抗力が高いこと

 

街路樹に使われる木というのは過酷な環境に耐える木ですので、あまり手をかけたくないけど広い場所に何か木を植えたいという時にも参考になるかと思います。なお、高木・中木の別は定義が難しいものであり、筆者の独断によるものです。

高木

イチョウ(公孫樹・銀杏)

 誰もが知るであろうイチョウは、日本で最も数多く植えられている街路樹です。ギンナンが臭いとか、道が滑るとかで、近頃は実がならない雄木に置き換えられています。 ⇒イチョウのページへ

 

ケヤキ(欅・槻)

 大木となるため、時に邪魔者扱いされますが、新緑や紅葉は美しく、また、その末広がりの樹形は落葉期でさえ圧倒的な存在感を放ち、街路に風格をもたらします。通行の邪魔にならない樹形もランキング上位の理由でしょう。 ⇒ケヤキのページへ

 

トウカエデ(唐楓)

 街路や公園で数多く目にしますが、ランキングの割には、あまり有名ではありません。木によって微妙にタイミングの異なる紅葉は見事で、「わぁ紅葉が綺麗」と皆が言うのは、たいていコレです。⇒トウカエデのページへ

 

ユリノキ(百合の木)

 昭和時代に造成された場所に見られる街路樹です。新緑や紅葉が美しく、大木となるためスケールの大きな風景を作ります。ユリに似るという花は高所に咲き、あまり見えません。ユリノキのページへ

 

トチノキ(栃ノ木)

 里山が似合う木ですが、若葉や紅葉が美しく、大きな葉で木陰を作るため街路樹や公園樹として上位にランキングされます。暖地では葉の寿命が短く、あっという間に黄葉してしまいます。 ⇒トチノキのページへ

 

プラタナス(鈴懸の木)

 特徴的な実がなるプラタナスは名前がよく知られる街路樹ですが、上記のユリノキやアオギリと同じように成長が早くて葉が大きく、管理コストがかかるため減っています。⇒プラタナスのページへ

 

ポプラ

 これもよく名前が知られた木の一つで、主に水辺の景観を作るのに使われます。スラっとした佇まいは、並べて植えても圧迫感がないため、いわゆる「ポプラ並木」として北海道では上位にランクインします。 ⇒ポプラのページへ

 

クスノキ(樟・楠)

 常緑で大木となるため、公園や社寺で使われることの多い木ですが、九州を中心に街路樹として使われています。暖地の生まれですので、雪が深い地域では見かけません。⇒クスノキのページへ

 

中木

エンジュ(槐)

 本来は水辺に似合うような木ですが、過酷な街路の環境にも耐えるため都心部の環状線などにも使われます。頻繁に剪定されるため画像のような花や実は望めませんが・・・ ⇒エンジュのページへ

 

ニセアカシア

 ハリエンジュとも呼ばれる木で、北海道では街路樹として使われます。高貴な花の香に惑わされがちですが、かなりの繁殖力を持ち、ナンキンハゼと同様、問題視されています。⇒ニセアカシアのページへ

 

サクラ(桜・櫻)

 日本人が大好きなサクラは街路樹としても上位に入ります。代表はソメイヨシノですが、近頃は一斉に寿命を迎えて樹形が乱れ、毛虫に対するクレームも多いため、管理の容易なサクラに入れ替えられつつあります。 ⇒ソメイヨシノのページへ

 

アオギリ(梧桐・青桐)

 これまた昭和を代表する典型的な街路樹で、成長が早く、葉も大きいため早期に木陰を作る木として普及しましたが、剪定のコストがかかるとして、年々その数は減っています。アオギリのページへ

 

ナンキンハゼ(南京櫨)

 平地でも綺麗に紅葉し、実の様子が面白いため、関西を中心に一時期、街路樹としてもてはやされましたが、爆発的な繁殖力や剪定のコストが問題視されています。 ⇒ナンキンハゼのページへ

 

ナナカマド(七竈)

 北日本の街路樹として人気なのがこの木で、特に北海道で数多く利用されています。平野では紅葉しにくいですが、新緑や初夏に咲く花には観賞価値があります。 ⇒ナナカマドのページへ

 

ハナミズキ(花水木)

 サクラに代わって増えている街路樹の一つです。悪環境では成長が遅く、本来は街路に不向きですが、皮肉にもその成長の遅さが評価され、街路樹としての利用が増えています。⇒ハナミズキのページへ

 

コブシ(辛夷)

 開花によって里山に春の訪れを告げるコブシですが、近年は街路樹として使われるケースが増えています。成長の遅さがメリットですが、枝振りは通行の邪魔になりやすく、今後は無残に剪定されるかもしれません。⇒コブシのページへ

 

ヤマモモ(山桃)

 クスノキと同じように暖地の生まれで、温暖化した都会の街路にも耐えます。葉がよく茂るため過剰に剪定されがちですが、上手に管理すれば雌の木には甘い実ができます。⇒ヤマモモのページへ

 

マテバシイ(馬刀葉椎)

 潮風や煙害に強く、海岸沿いの街路樹や工場の緑地などに多用されます。最大のドングリをつける木ですが、残念ながら頻繁に手入れされる街路ではあまり実を見かけません。⇒マテバシイのページへ

 

ウバメガシ(姥目樫)

 材が備長炭になることで有名ですが、マテバシイと同じ用途で街路樹として使われます。これまた、街路でドングリを見るのは稀です。細かな枝が多いので生垣風にされることも。⇒ウバメガシのページへ

 

シラカシ(白樫)

 東日本を中心に庭、公園、街路に多用される木で、関東に住む人であれば、この木を目にしない日はないでしょう。花が咲き、どんぐりもできますが、街路ではマテバシイ同様です。⇒シラカシのページへ

 

ネズミモチ(鼠黐)

 ツバキに間違われることの多い葉っぱです。単価が安く、予算の少ない場合に選択されやすい街路樹で、上品ではない名前は花の後にできる鼠の糞のような実に由来します。⇒ネズミモチのページへ

 

レッドロビン

 新芽の赤さが際立つ木で、ゴールデンウィーク前には、木にあまり興味のない人の目も惹くほどです。入手しやすく、育てやすいため一般住宅の生垣としても上位にランキングされます。⇒レッドロビンのページへ

 

カイヅカイブキ

 ガーデニングでいうコニファーの先駆けで、昭和時代には洋風なイメージの洒落た木としてアチコチに植えられました。大きくなる一方なので近年では邪魔者扱いされがちな木です。⇒カイヅカイブキのページへ

 

 

これらのほかにも以下のような木が街路樹として使われます。

 

常緑高木

 クロマツアカエゾマツ

 

常緑中低木

 サツキツツジアベリアシャリンバイサザンカツバキイヌツゲハマヒサカキトベラクチナシジンチョウゲハイビャクシン

 

落葉低木

 ユキヤナギドウダンツツジ

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