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ユキヤナギ/ゆきやなぎ/雪柳
Thunberg's meadowsweet
【ユキヤナギとは】
・関東以西の本州太平洋側、四国及び九州に分布するバラ科の落葉低木。主に暖地の山間や谷間の岩場に自生する。春になると雪が降り積もったように小さな白い花を枝いっぱいに咲かせ、枝葉の様子がシダレヤナギに似ていることから、ユキヤナギと名付けられた。
・花の様子から繊細な印象を受けるが、自生地では岩の裂け目から生えるほど強健で繁殖力も高い。数ある早春の花の中でも最も丈夫で育てやすく、各地の庭園、公園及び街路に植栽されるほか、生け花の花材として年間を通じて使われる。
・開花は2~4月で、関東地方ではソメイヨシノが咲く7~10日前に咲くことが多い。花は直径8ミリほどで2~7輪ずつ咲く。よく見ると花弁と雌しべが5個ずつ、雄しべが20個あり、裏側の萼は五つに裂けている。
・普通は新葉が出る前に咲き、満開の頃に新葉が動き出すが、稀に葉の展開と同時に開花することがある。また、晩秋に気温の高い日が続くと返り咲きすることもある。
・花の様子をお米に見立てた「コゴメバナ」という別名があるが、近縁のシジミバナにも同じ別名がある。なお、コゴメとは精米の際に砕けて小さくなったコメのことであり、小さな米粒ではない。
・花の後には小さな果実ができ、5~6月に熟す。これを蒔けば増やすことができるが、通常の繁殖は、より容易な挿し木や株分けによることが多い。
・ユキヤナギの葉は長さ2~4センチで先端が尖り、縁には細かなギザギザがある。両面とも毛はなく、裏面には1本の葉脈(主脈)が目立つ。秋に紅葉または黄葉するが、暖地ではすぐに落葉しやすく、観賞期間は短い。
・茎(幹)は直径7ミリほどで地面から弓状に伸び、放任すれば高さ1.5mほどになる。枝が垂れ下がるのは樹高が最大限に達する頃であり、若い木の枝は褐色で直上する。
【ユキヤナギの育て方のポイント】
・日当たりの良い場所を好む。暑さ、寒さに強く、初心者でも無理なく育てられる。病害虫にも強いが、アブラムシが発生することがある。
・土質をあまり選ばず、乾燥、湿地ともに強い。庭に使う場合は石組の横や池の水際、流れのほとり、芝山の斜面などに群生すると見栄えが良い。
・成長が早く、繁茂しやすい。手入れは樹形を大きく乱す徒長枝(他より圧倒的に太い枝)を根元から切るのが基本。剪定に強いため、丸く刈り込むこともできるが、本来の美しさが損なわれる。花は前年度に伸びた枝に咲くため、おおむね9月下旬以降に剪定すると花数は少なくなる。
・株が大きくなり過ぎた場合、数年に一度は根元ですべて切除して更新することも可能。
【ユキヤナギの園芸品種】
・フジノピンキー~蕾がピンク色の品種。
・ユキヤナギオーレア~葉が黄色っぽい品種
・蒲田早生~大きな花をたくさん咲かせる品種。生け花用に促成栽培されている。
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ユキヤナギの基本データ
【分類】バラ科/シモツケ属
落葉広葉/低木
【漢字】雪柳(ゆきやなぎ)
【別名】コゴメバナ(小米花)
コゴメヤナギ(小米柳)
コゴメザクラ(小米桜)
スズカケ
【学名】Spiraea thunbergii
【英名】Thunberg's meadowsweet
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】花木/公園/切花
シンボルツリー
【値段】400円~